歩き遍路は10番切幡寺を打ち終えると吉野川を対岸に渡る。このとき長い沈下橋を徒歩で渡るのが感動的なコースで、前半の一つのアクセントになっている。そして11番藤井寺に至る。
吉野川の左岸、平野が山に突き当たる場所にある。駐車場は有料。けっこうな台数が止まっている。細い沢に沿って山門に向かう。
こぢんまりした山門。仁王様も小柄。
門をくぐると藤棚に花がたっぷりと房を垂らし、いい香りがする。
90度曲がって石段を上り、本堂。ここには龍の天井画があって有名。
観光客のおじさんがその天井画を眺めている。宗教画なので美術館のように見せる演出はされていない。暗いのではっきりは全貌が掴めない。写真撮影は当然禁止だろう。人の目が気になるので双眼鏡を使うのもどうかと・・・。
大師堂。
弁天様があれば必ずお参りすることにしている。私らも一応ミュージシャンなもんで^^。
本堂の脇から12番焼山寺への道が続いている。
水平距離12km。高低差の累計1,050mという歩き遍路中最大の難関、いわゆる「遍路ころがし」と呼ばれる区間である。
若い頃、山歩きにはまっていたことがある。電子本で作品化した『南アルプス テントかついで ひとり旅』では最大の登りは保利沢小屋跡~転付峠~二軒小屋~千枚小屋で水平距離11km、高低差の累計2,000m超。『北アルプスのダルマ』の最大の登りはクリヤ谷~笠ケ岳山荘で水平距離7km、高低差1,500m超だった。どちらもテント泊なので荷物の重量は20kgを超えていたと思う。
だから、この「遍路ころがし」区間がどれほど大変かはよく解る。健脚で5時間、普通は6~7時間。ここで歩き遍路を挫折する人もいるそうだ。