多度津の海岸寺で1泊2日のワークショップ。「大地の再生」と囲炉裏の講座である。海岸寺は四国別格二十霊場のひとつ。その名の通り瀬戸内の海岸に近い。本堂のとなりに鉄筋コンクリートの立派な宿泊施設があり、1階には厨房や会議ができるホールがある。まずはそこで座学。今回もKさんが動画を撮ってくれることになった。
プロジェクターもあるとのことなのだが、寺子屋という気分でやりたかったのでホワイトボードに手書きで・・・と思ったらまさかのホワイトボードがないらしく、紙をつなげて壁に貼ったのに水彩マジックペンで直書きすることに💦
消すことができないしレイアウトしながら描かなきゃいけないのでチト難しかったが・・・そこはそれ、プロなので(笑)。
11:00から外に出て三又囲炉裏でご飯を炊く。石を見つけてきて簡易カマドを作り、3升炊きの羽釜で1.5升の白米を炊いた。これも1つの勉強なので説明しながら火の扱いを見てもらう。外で炊くときは炎が風で偏ることがあるので、薪を手前に引いたりして羽釜の底にまんべんなく炎が舐めるようにするのである。
羽釜と三又囲炉裏は僕のアトリエから持参してきた。鍋を吊ると炎を遮断するものがないので最も火力効率がよい。自在カギを知らない「初めて見た」という人もいて、これがY字の枝とロープで簡単に作れることに驚いている。
海岸寺は広大な敷地を持っていて、すぐに海が望めるすばらしい敷地だった。伐採枝をここに集めるそうで、だから薪はいくらでもある。が、カマドで炊くときは細い枝でも十分だし火力を調整しやすい。これもまた驚きのようだ。
ほんのりお焦げをつくったふっくらご飯が完成。今回、五色台の喝破道場の和尚も参加され、お焦げ飯を懐かしそうに味わっておられた。
あらかじめ作っておいた味噌汁を温める。
届いたお惣菜を盛り付け。
海沿いだというのに風もなく、天気は最高! これぞ春の瀬戸内のすばらしさ。
食後はめいめいに三又囲炉裏を作り始める。なにしろ海岸寺敷地内の伐採枝が山積みされているので、自在カギのY字棒はいくらでも採れる。
子供たちは火に夢中である。このような機会は、今の子たちにはほとんどない。火吹き竹で火勢が上がるのを驚きながら実践するのだった。
Y字棒の自在カギ製作中♬ ヒモの高さを調整する横木は、直径3㎝長さ10㎝程度の丸枝の両端に、9㎜のドリルで穴を開ける。
ヒモは6㎜の綿ロープが良い。完成❣️
ちょっと早めに上がって、ホールで炭火の使い方の実践。アトリエから箱火鉢と炭3種類、そして炭火グッズを持参してきた。炭は囲炉裏暖炉でできた「熾炭」五名で購入した「黒炭」、そして「備長炭」。それぞれの炭の特徴や肌触り、重さなどを手に持って確かめてもらった。
そして焼き網に熾炭をのでガスで着火し、あらかじめ箱火鉢に仕込んでおいた黒炭に火を移していく。薪はふつう下から着火するが、火鉢の炭は上に火種の熾炭をのせて上から空気を吹きかけ、下の黒炭に移していくのである。このときやや小型の火吹き竹を作っておくとよいが、慣れれば口から直接吹きかけてもよい。
夕食時には焼き網を使っていろいろ焼いて、お泊まりのお客様に炭火焼きの美味しさを味わってもらった。