今から22年前、東京在住時代に描いたイラストである。この頃は森林ボランティアから派生した仕事をいろいろやっていたのだが、加えて大判の鳥瞰図やイラストマップを多数こなしていた時期であった。ふとこの作品を思い出し、印刷媒体からハンドスキャナーで取り出して、このブログのproflie>【連載・絵地図】:イラスト・文・イラストマップの仕事、にアップしてみたくなった。
NPO法人「森づくりフォーラム」が作った「さがみの森」のブックレットに使われたイラストである。この仕事を出してくれた当時の事務局長の坂井さん、そして本のデザイナーの森さんの二方は、すでに鬼籍に入られてしまった。
見返しの前部分に現況図が、
そして後ろ部分に未来図が描かれている。当時「さがみの森」には僕も何度も足を運び、皆とともに汗を流して作業したり、帰りの駅前でコアメンバーの方々と居酒屋で飲んだりしたものだ。
この下の遠望図も・・・
僕が描いたものだ。森さん、優秀なデザイナーだった。実にうまくまとめてくれた。当時、Macを導入したばかりの森さんの事務所で打ち合わせをしたことをよく覚えている。当時「奥多摩・山しごとの会」の代表もしていて、僕が主催した間伐イベントにも協力してくれた。
森づくりフォーラムは当時各地で台頭してきた森林ボランティア団体をまとめ上げる趣旨で始められたのだが、僕は自分の会としては参加していたけれども、団体行動や会議が苦手なので個人的には距離を置いていた。が、日の出町の住まいが坂井さんの近所でもあり、いろいろ面倒を見ていただき、当時の人工林再生の活動に身を置く中で叱咤激励されていたのである。
2000年初頭に鋸谷さんを東京奥多摩に迎えて、僕が主催した林業イベント(「岩手のプロがやってきた!」)の結果を見て、そのあとに群馬で主催した間伐イベントに坂井さんは大いに協力してくれた。この成功が『林業新知識』の連載につながり、やがて商業出版へと導かれたのだ。
それまでのアウトドア志向の仕事から大きな舵取りをするきっかけとなった瞬間であった。当時の「未来樹2001と大内正伸のホームページ」から、その間伐イベントの様子をお見せしよう。
いま「大地の再生」に関わっているエネルギーはこのときからのひと続きにある。読み返せば実にたくさんの方々の熱意と協力のもとに、今の僕があるということを噛み締めずにはおれない。
合掌。