うどんと和紙


他県から初めてやってきたお客様の、お泊まりの翌朝のメニューはやはり讃岐うどんである。僕の車に乗っていただき、お二人をディープなうどん屋に案内しようとしたのだが、「がもう」も「山下うどん」も今日は休みだった。というわけでたまたま見つけた坂出川津町のうどん店「まいどまいど」へ。

正面に讃岐富士。この山の周りには印象的なうどん店が多いが・・・

ここも当たりだった。太麺でザ・讃岐・・・という感じのセルフ店だった。出汁もなかなか旨い。後で調べたら食べログ3.65 だからなかなかである(ちなみに「がもう」は3.99、「山下うどん」は3.75)。

まいどまいど(食べログ)

帰宅後、Oさんに和紙を貼ってもらった。Oさんはフリーの建築設計家だが施工もやり和紙ばり仕上げを得意としている。自作の和のりまで持参されてきたのだった。

先日、長らく放置してきた下屋のドアが完成したばかりだが、最後に唯一残された未完の場所がこの床の間の天井だった。竹を並べて仕上げようか・・・などとうっすら考つつ実行できずにいた。貼り方やキワのカットの仕方などは、クロス張りによく似ているが、和紙の場合は重ねの部分をわざと残す。そして2枚重ね貼りにすることで深みが出る。

仕上がってみるとなかなか良い。明るくなる光の反射効果もあり、僕のザクザクっとしたタッチの絵を掛けるときにはむしろこのすっきり感のほうが映えるかもしれない。

「他に貼るところないですか? 漆喰壁にも似合うよ」と言われて思いついたのが、ベッドルームの横壁。実はここに昔の作品を額装して飾ろうかと考えていたのだ。

『水郡線で旅する/街道絵図・久慈川散歩』(水郡線活性化対策研究会 1998/2)である。この絵は僕が39歳のとき、水戸から福島県の郡山までを走るJRのローカル線「水郡線」を幅10㎝×10折の蛇腹に描いたイラストマップである。

まだPCによるデータ入稿が進んでいなかった時代のもので、原画はシナベニアに水彩紙を水張りして仕上げて写真製版であげたのだが、その原画は紛失してしまって手元にない。あったとしても文字は別版ですべて手書きしているので飾りようがないのだ。

幸い2組の印刷物が手元にあるので、裏表を2枚平行に額装しようとしていた。が、つなげて並べるとより迫力が出ていい感じになる。

『水郡線で旅する/街道絵図・久慈川散歩』(水郡線活性化対策研究会 1998/2)部分

Oさんは電設もご自分でされるのでスイッチのカバーをいちど外して和紙を張り込んでくれた。この壁の裏の廊下側には僕の半生記を描いた『新・間伐縁起絵巻』があり、トイレには『鳥獣人物戯画』のミニブックがあるので、それらと呼応する形になって面白いかもしれない。

しかし、ここに和紙が来て水郡線のイラストマップを飾ることになるとは、思いもよらないことだった。OさんはHACHIYADO39の囲炉裏暖炉づくりワークショップに来てくださって知り合ったのだが、そんなきっかけがなければ和紙を貼ることなどなかっただろう。

Oさんも和紙の2つの仕上がりに満足げで、夕刻滋賀に向かって帰られた。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください