今日は左官屋さんが入るので塗りの打ち合わせ。
電線の工事中だった。わが敷地の電柱に電線がつながった。
左官のMさんは今日初めてお会いする。全体の半分を私たちが塗るということになっているが、実際は難しいところはMさんにお願いするのであり、この素人仕事のツッコミがかなり迷惑であろうことは重々承知なので、丁重にご挨拶しつつ、今後の行程や、準備するものなどを教えてもらう。
この家は塗りの面積がかなりある。いまどきはクロス張りがほとんどなので、これだけ漆喰塗りというのは珍しいし、木の現しの部分との交錯、窓枠の部分など、塗りに面倒な箇所がたくさんある。
漆喰を塗る前に下塗りがあるわけだが、その前に下地処理がある。ボードのネジ部分やつなぎ目などにパテ塗り(珪藻土素材のもの)をして凹凸を隠すわけである。その後、下塗りはMさんたちにすべてお願いし、仕上げの漆喰の塗りを、私たち(僕とyuiさん)が手伝うわけである。
というわけで、今日から数日はMさんらの仕事が続き、下塗りが終わった時点で私たちも参加、という段取りだ。
道具を見せてもらった。これは0.3mmのコテ。素人は0.5mmあたりが使いやすい。
これは漆喰を載せるコテ板。
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その後、工務店の社長と今後のスケジュールとやるべきことの打ち合わせ。
大工さんの仕事は、和室の造作が残るのみで、その後は私たちが本棚や下屋のドア、そして薪火暖房装置の納まりを主導しなければならない。
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高松にはNという大型ホームセンターがあり、そこが品揃えが豊富である。昼食後はNの2店舗をまわって、左官道具やその他の資材を見てまわる。
スギの足場板が豊富に出ていてた。足場板というのは、建設現場で仮設の踏み板に使うものだ。使い捨てであるが、最近ではその安さから、店舗の床など内装にも使われ始めている。
値段は、厚さ35mm幅240mm長さ3mのスギ板が1枚およそ1,500円だった。1mあたりおよそ500円である(ネットでは800円くらいが相場)。
四国はスギが豊富にあり・・・とはいえ、これで山元に儲けが出るのか? と心配になる(もちろん利益が出るわけがない。補助金を投入しているから成り立っている)。
たとえば大根1本の断面を直径6cm、長さを30cmとして体積を計算すると、0.00085㎥
このスギ足場板は1mで0.0084㎥なので、およそ大根10本分の体積なのだが、大根はいま一本100円くらいなので、体積換算すると大根よりスギのほうが安い(およそ半値!)ということになってしまう。
幅240mmのスギ板を採るには、直径30cm※は必要で、そこまで育つには年輪幅3mmで50年かかる。まあ直径30cmの丸太から4枚は採れるだろう。
直径30cmなら梁に採って末永く家を支える材として使われてほしいと思うが・・・。あるいは「愛工房」で低温乾燥すれば付加価値が高まり30mm厚のすばらしい床材がつくれるのだが・・・。
梁など構造材にするには乾燥が難しく、そもそもスギの梁材のニーズがまだまだ少なく(ベイマツと集成材に席巻されている)、乾燥・流通ルートがない地域では、せめて足場板にして販売・・・ということなのだろうけれど。それにしても、安すぎるというものである。
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※直径30cm~20cmの丸太を「中目材」といい、柱材を採るに適した寸法よりも大きいために(日本の建築用製材品の出荷量の四割以上が柱材)利用価値がないとされる。