建具の把っ手のサンプルと、玄関のたたきの洗い出しのサンプル写真が来ているというので現場へ。建具はほとんど選択の余地なし、というシンプルなもの。洗い出しは3色くらいの石を混ぜたものがいいなと思っていたら、ちょうど左官屋さんがオススメのものがそれだった。
洗い出しというのは、コンクリートに細かい石を混ぜ、それを塗った後、乾く前に表面のコンクリートを水で洗い流して小石だけを表面に浮き立たせる手法である。
これは愛媛の久万林業地に構造材を見学に行ったときに、「久万高原の家」モデルハウスで見た玄関の洗い出し。たぶんこんな感じになるはず。
黒と茶と青。とくに四国は青石(中央構造線の南帯に広く産する結晶片岩・緑泥片岩)の産地なので、この青が入るのがいい。関東では黒一色の小石の洗い出しをよく見かけたが、あれはちょっと冷たい感じがする。
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今日はガス屋さんが入って工事をしていた。
ガスは湯沸かしだけのシンプルなもので追い炊き機能はない。風呂は主に太陽熱温水器を使い温度が足りないときだけ湯を追加。あとは洗面所と台所のお湯を出すだけ。それで十分だ。香川は雨が少なく日照が良いので太陽熱温水器は大活躍してくれるはず。
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浄化槽が到着していた。これはのちに建物近くに埋められる。この地区は都市下水道がないので合併浄化槽を使って水路に排水する。浄化槽は高松市から半額の補助が出る。
手前に出っ張っているのはポンプ部。ここは高さ的に水路に自然放流できないのでポンプを使う。
自然浄化と環境との関係には思うところがあって、個人的には微生物資材(酵素水)を使った高性能の浄化槽・液肥製造装置を応援しているのだが、こちらは現在の法律上は屎尿(トイレからの排水)にしか使えない。
合併浄化槽とそれとを併用するのは金額的にも負担が大きいので、とりあえず合併浄化槽の具合を見て(排水は敷地に接近したU字溝なので観察しやすい)、いずれ分岐して導入できるよう配管と屋外配線を準備してある。
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今日は工務店の社長に外周りを詳しく説明してもらった。ガスのユニットからも雨水排水につながる配管があることを初めて知った。
これは雨水配管の枡(ます)である。いわば小さなマンホールのようなもので、各場所からここに管が合流し、またここから出ていき、最後はU字溝に排水される。雨水とはいえ、泥やゴミが一緒に流れてくることがあり、枡によるクッション装置でゴミを溜め置くことができる(定期的な掃除が必要)。
敷地の配管は竣工前にきちんと把握しておかねばならない。とくに下水管の敷設は現場合わせの部分が多く、図面には残らないことが多い。いずれこの家を住み継ぐ人々のために解りやすく図化して残しておきたい。
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基礎の水抜き穴がようやく塞がれた。