完了検査通る(祝・竣工!)


今日は朝から建物の「完了検査」の日。審査員が図面の寸法通りにできているか、防火などの素材をちゃんと使っているか、などなどを機関の人がチェックしに来る。工務店側から立ち会いを勧められたのだが、銀行との書類やりとりあって行けなかった。

午前中のまだ早いうちから「検査通りましたよ~」と工務店から連絡が入る。新築における火気、例えば薪ストーブや囲炉裏、暖炉などはとくに都市部では防火に制限がありけっこう大変なのだが、今回の囲炉裏暖炉付はあっさり通ってしまった(建築関係者の話ではこれは「快挙」とのことだ)。


というわけで、長らく綴ってきたこの住宅建設物語も「竣工」で一応のくぎり、ということになる(美装屋さんが掃除を終えた時点で竣工とする場合もあるらしい)。ただし残した仕事もあり、見学会を終えてから階段蹴込みの塗りをするなど調整してくれている(汚れを考慮して)。

また、施主施工(ようするに私が作るということ)の部分がたくさん残っている。コストダウンのためだが、たとえば本棚や、扉の一部、台所のアイランド、食器棚、テ―ブルのいろいろ。寝室のライトets.・・・というわけで結構な仕事があるし、フラット35の事務処理がけっこう長引くので、まだまだ家には入れないのである。

見学会のチラシを私が作ることになり、午後から久しぶりに工務店の事務所に行き、原稿をチェック。

帰り道の夕刻、現場に立ち寄った。ようやくドアの保護カバーが取れて、正面の顔が現れた。

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玄関のたたきと框(かまち)。

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たたきは洗い出し、框はスギ。

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洗い出しは小石を浮かび上がらせる左官の手法だが、多種の色と貝殻も混じってカラフル。

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和室に襖(ふすま)と畳が入った。新しい畳と和紙の匂いがする。

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床(とこ)板はトチノキとスギの2段がまえ。どちらも無垢の一枚板である。

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床柱の下の処理はタケノコではなく首切りで、畳を食わせて納めてある。

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2階に夕刻の光。食堂側のヒノキ丸太が陰影をつくっている。

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キッチンはLIXILのシエラにリンナイのデリシアグリレをビルトイン。ここはあえて木製にしなくて正解。

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南東の高窓から暖炉の壁に淡い斜光が落ち、真西から窓を通した光がスギの床に伸びている。

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鷲ノ山石と花崗岩+アイアンの囲炉裏暖炉。石の炉縁に障子の桟が映り込む。

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この映り込みは、考えもしなかった、不思議な光景だ。

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さて、アトリエ竣工を記念して何かサプライズをと考えていたのですが、この機会に電子本の『むささびタマリンものがたり』を再び無料公開(※)しようと思います。

思えばこのアトリエは、私たち夫婦が長く森づくりの運動に関わってきた、その延長上にあるものです。むささびタマリンの紙芝居を全国で公演し、森をモチーフに絵画とクラフトで個展を展開し、山暮らしの実践の中から日本の自然の強度と薪火の豊かさを発信してきた、その結晶とも言えるものです。

もちろん、ここがゴールではありません。また新たな展開が始まるのであり、むしろここからが本番なのです。

▼ではタマリンをお楽しみくださ~い♫
https://bpub.jp/shizuku/item/200000232272/

※現在(2020.2)は有料となっています。


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