春の海とマイクロプラスチック


瀬戸内の春を彩る食彩といえば大好きなのがイカナゴの釜揚げ。これまで毎春ブログでそのことを書いてきたが、今年の一発目(確か先月上旬頃)で食べたイカナゴが実に変な味だった。鮮度が悪いわけではないのだ。内臓の味が変・・・こんなことは初めてだった。ちょっと危険を感じて調べてみたら、内臓に蓄積するマイクロプラスチックのことが浮上してきた。

イワシやイカナゴは食物連鎖の下部にいる魚たちで、内臓を食べても汚染度は少ないと思われるが、マイクロプラスチックのような浮遊物は別だ。最近は海塩も汚染されているという話もあるくらいで、東京農工大学のレポートでは2015年に東京湾の埠頭で釣ったカタクチイワシを調べたところ、8割の消化管の中から様々なプラスチック片が出てきたという。

大きなイワシならわたを取って魚肉だけ食べればいいが、チリメンジャコや小女子、イカナゴなどは内臓まで食べるのでそうはいかない。毎日のようにスーパーで買い物していると、うんざりするほどプラパッケージを捨てねばならないが、ちなみに1枚のレジ袋から数千個のマイクロプラスチックができると言われている。

まあ、もし人体に入ってもしょせんプラスチック、消化されることもなくそのまま排泄されるのだからまあいいか・・・。と思ったら、トンデモナイのだ。プラスチックにはもともと添加剤が入っているし、汚染物質を吸着してしまう性質もあるというのだ。とくに油脂に溶けやすいPCBなどの有毒物質がプラスチックに吸着しやすい。

日本近海で調査したところ世界の平均のおよそ30倍の密度になるくらい存在するというレポートもある。つまり、日本はマイクロプラスチック汚染先進国なのだ。それは日本だけでなく中国、インドネシア、フィリピンなど、アジアの国々から流れ出たゴミが粉々になりながら日本近海へと流れてきていることもあるらしい。

マイクロビーズのようなさらに小さなプラスチックの場合、食物連鎖の底辺にあるプランクトンまで、体内に取り込むことが確認されているというから、プランクトンイーターのイカナゴなんか、やはりけっこうヤバいんでは・・・。

ちなみに化学繊維の洗濯排水やナイロン系のたわしなんかからも日夜マイクロプラスチックは生産されているそうです。イカの内臓も食べにくくなってきたなぁ。春のホタルイカも大好物なのだが・・・。


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