アマゴと折れたフック


翌日はよく晴れた。

支流のさらに上を攻めてみる。

魚影は少ないが、とにかく溪が美しい! モンベルのウェーディングシューズも快調で、渓谷を遡行しているだけでも楽しいのだ。

ようやく小型のアマゴが一匹。私にとって、四国の渓流魚第一号だ。パールマークと朱点が美しい。この溪にふさわしい姿だ。

支流に入る小沢。一枚岩を流れが刻んでいる。ここまで青石が凹むまでどれほどの時が経っているのだろうか。

工事が入ったらしく支流が濁り始めたので本流に入る。

けっこういい型が食いついてきたのだが、掛からない。それもそのはず、フライのフックが折れていたのだ! さすがに30年前の毛針ではダメだな。

フック折れ、それが2回も続いてしまい、悔しいことをしてしまった。が、川が美し過ぎて、それだけで満たされてしまうのだ。

エメラルドグリーンの淵の前に、思わず座り込んでしまった。かたわらにシマヘビがひなたぼっこをしていた。ここで納竿。まあまあ魚影を確認できたし、それぞれが1匹ずつ釣ったので良しとしよう。

頼めば500円でおにぎり弁当を作ってくれる。

朝食も美味しかった。とくに味噌汁と漬け物は山の宿らしく秀逸。なにしろ水がいい。

Tに石鎚山のブナの原生林を見せたいと思い、帰りは尾根に上がるドライブコースを選ぶ。

登山基地の土小屋はたくさんの人で賑わっている。今日は最高の登山日和だろう。ここから、石鎚山頂までは往復5時間とのこと。

下りの展望所から見る石鎚山。左下に滝が架かっているのが見える。豊かな原生林が豊富で安定した水をもたらしている。

面河渓谷に立ち寄って、途中から東温市に抜けたのだが、これが人工林が延々と続くとんでもない山道だった。

社長と合流し、最後は近所の「やまだ」のお好み焼きで打ち上げ。

Tはすでに数回、社長に至っては15年ほどあの溪に通っているという。香川にはフライの振れる川がほとんどない。来年はメイフライの春からあの溪に通うのも面白いだろう。せっかく靴を手に入れたのだから。

それにしても、折れたフックに来た良型を手にしてみたかった。当然ながら古い毛針はすべて破棄。新たに毛針を巻かねばならず、フライタイイングも再開だ! 現場では老眼で糸が結べないという悲哀を味わいつつも(笑)・・・あの溪とアマゴに感謝♬


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