もうラーメンはこの店ばっか。というか富家のラーメン以外に外食は、「たま〜にウドン」くらいしか食ってない。ここ富家は9:30開店という「朝ラー」ができる店なのだ。その早い時間をちょっと確かめてみたくもなり出かけてみた。10時ちょうどに到着。さすがに並びはないわなw。
それでも車が4〜5台は止まっており、数人の客がいる。カウンターががら空きだったので、マスターの動きがわかる厨房丸見えの位置に座ってみた。こんな時間だが、すぐに作業着姿の部下と上司という関係らしい2人が入ってくる。その後も食べ終えたお客が出た・・・と思うと新たな客が入ってくる、この繰り返し。
着丼10:08。いつものチャーシュー麺(中)。ご飯も付けたいけど、今の私の胃袋ではムリだ。どんぶりは事前にお湯の中に浸けられ、温めてからしっかり拭くという仕事がなされている。そこに、なみなみのスープ注がれるのはいつもと同じ。その湯面レベルはどんぶりのフチまでわずか1cmをきっている。これを助手のオバちゃんが、両肘を突っ張った格好で(ちょっとブレたら持つ指が「アッチッチ!」となる)危なげに配膳するのだ。
今日はカウンター越しにマスターの手元を観察していた。スープの寸胴から脂だけをすくってスープに垂らすという仕草を初めて見た。確かに以前より脂浮きが多くなっている。その脂は? ラードではなく「鶏油」ということになるんだろうか。
チャーシューも今日は脂が多めの部位。これはこれで旨い。煮込まれて脂身からラード本体は抜けきっている。甘みと香ばしさと、とろける柔らかさで舌に消えていく。
麺は程よいかたさ。可もなく不可もなく・・・ということは、むしろ絶妙のスープと、チャーシューの旨さを際立たせる役目を果たしている。
今日もチャーシューの端っこが数片。これは、マスターが意識して配分して入れてくれているのを、今日は確認した。あとはネギと濃いめに味付けされたメンマしか入っていない。味玉や海苔などの外付けトッピングは、ここには一切ない。ナルトもモヤシも青みもない。派手に、一見旨そうに見えるステレオタイプの装飾がまったくないのだ。
鶏ガラとゲンコツ(豚骨)、いりこ、昆布、香味野菜類、そしてモミジ(鶏足)、もしかして干し貝柱も? 思いつくままにこのスープを分析してみるが、私の舌などでは到底解明できない旨味が押し寄せてくる。
作り方は「チャーシューの煮込み汁+シングル・スープ」というごく普通の組合わせなのだが、醤油そのものにもヒントがあるのかもしれない。化調をサジで入れているのも見えたが、ベースの旨味に圧倒されて、その嫌みは感じない。とにかく、上質な素材を使い、丁寧な掃除とアク取りを徹底していることだけは確かなのだ。そして残ったスープの翌日への使い回しもしていない。これは分かる。
毎回スープまで完飲するのだが、胃もたれや喉の乾きもなく、帰り道のドライブでくたびれることがない。このすっきり感が凄いと思うし、それがまっとうなスープの証明でもあると思う(なにしろ私は、悪い外食をすると食べた数時間後に下痢をしてしまうことがよくあるのだ・・・)。
店を出ると雨が降り始める。帰り道、飯山のモモがシーズンなので、直売所を探してみたのだが、そこは地方発送専門の所だった。四国に来てから果物を食べる機会が増えた。とにかく柑橘は一年中途切れることなく豊富だし、モモなんて関東じゃ滅多に食べなかったが、とにかく讃岐のモモは味が濃くて旨い。
冷蔵庫に丼つゆのストックが残っていたので、夜は久々にカツ丼をつくる。今日は豚づくしだな♬ 紅生姜がいい仕事をしてくれた。