今日は「讃岐まんのう公園」で講演会。公園内の総合センターで午前中の10:30開始、持ち時間は1時間半。ここでは様々な催しがあるが、「さぬきの森の会」というボランティア団体があり、公園内の森林整備などを行なっている。その方々を対象に、今後の活動の指針やアイデアなどが浮かぶような、里山の楽しみ方について話してほしいということだった。
担当者の方がわざわざ自宅まで打ち合わせに来てくださるという腰の入れようで、私も香川での一般の方々への初めての講演会ということもあり、話し方やプレゼン資料の構成をしばらく前から考え続けていた。
今回のスライド資料は「組み写真」でいくことにした。作り込むのが大変だが、私の場合、活動が多岐に渡るので、単写真だと枚数が多くなり、印象が散漫になり、私自身も写真の配列を覚えきれないで、講演中につまづくことが多かったのだ。
また、いつものノートPC「Mac Book pro」のOSをYosemiteに変えていたので、iPhotoが「写真」というアプリに変わっており、その操作法も覚えねばならなかった。が、「写真」のアルバム機能はiPhotoのスライドショウよりもはるかに使いやすく助かった。
扉はGomyo倶楽部の活動でスケッチしたものを使い、講演は大きく4つの構成でいくことにした。
まず私の来歴。著書を読んでいる方もいらっしゃるだろうが、初めての方には私のこれまでやってきたこと、とくに関東からの移住者の目で讃岐の自然を見ているという視点を伝えたい。
2番目に、自作の「背負い子」をイントロに(実物を見てもらった)、枯れ竹や枯れ枝を運ぶ作業からGomyo倶楽部の活動や、囲炉裏暖炉を紹介する。ここでは囲炉裏暖炉で枯れ枝が燃えている動画をお見せし、枯れ枝に関してブログから編んだ散文を朗読した。
3番目、モノ作り、料理、箱火鉢などを見せ、里山と暮らしの結びつきのアイデアを紹介。
ここで、ブリッジとして私なりに「里山の楽しみ」を書き出した6項目を見せて・・・
4番目。ニホンミツバチの巣箱設置から採蜜まで(ここでも動画を流した)のドキュメント。そして、わが家の畑開墾から現在までの様子、放置草原が手入れによって豊になり、動植物の劇的な変化が見られた里畑を紹介。最後に石垣再生、Gomyo倶楽部で石田高校の生徒たちと作業した事例報告。
図らずも写真やイラストはすべて香川に越してから撮ったものになった。引っ越して6年、それだけの蓄積ができてきたということもあろうが、私としては過去の山暮らしの写真は使わないことを、今回の講演に課してみたのだ。
最後の質疑応答では、「何を目標に里山を整備したらよいか? どの木を伐ってどの木を残せばよいのかの指標を教えてほしい」というような質問や、「へたに手を出すより荒廃林はそのまま放置しておいたほうが良い、との指摘にどう答えたらよいか?」などの質問が飛んだ。また獣害に対する私の見聞を聴きたいとの声も。
今回の講演を構築しているうちに、私の中に「枯れ枝」と「石垣再生」という2つのテーマがくっきり浮かんできた。どちらも現在の日本の里山を守る上で象徴的であり、深い思索と行動の広がりを呼ぶ、重要なテーマである。いちど図解ノウハウ本から離れて、里山活動について一冊の本にまとめてみたい、という思いが生まれた。
講演後の名刺交換では、私の本の熱心なファンという讃岐の林業女子が現れた。手に『山で暮らす〜』『囲炉裏と薪火〜』持っており、中身の内容について質問があったので、それに答えた。そして、表紙の裏にサインをしてあげた。使い込まれてふやけている紙にサインをするのは初めてだったが、嬉しかった(笑)。
今回、動画は撮っていないが、録音はしておいた。この講演会にいざなってくれたMさんのメールを紹介して報告を終えたい。
平日開催のため、参加者が少ないかと危惧していましたが、多くの人に集まってもらって、有意義な時間が過ごせたかと、有りがたく思いました。
ただ、時間が短く、活動、知識のごく一部しか伺うことが出来ず、少し残念では有りました。
中で「里山の楽しみ6項目」は里山を愛して復活させようとする者にとって、バイブル(信条)となるもので、早速、「昭和の里山復活6ヶ条」として、座右に書き出しました。
ただ、これをするには、どっぷりと里山に浸かる必要が有るので、日々の生活の中で、可能な事からこつこつ行なう事で、少しずつ昭和にタイムスリップして行くイメージです。
将来的には、しょいこ作りのワークショップ(ハードル高し)とか、竹細工とか、何か物作りが出来たら良いなと思っています。
参加者の中に、何人かの大内様のファンが居たのを発見して(センター長も)、やっていただいて良かったと感じる次第です。
今後共、宜しくお願いいたします。
(図版・スライド写真はクリックで拡大します)