12/16に塩漬けをしておいた豚バラ肉の塊をいよいよ薫製してベーコンに仕込む。まず水洗いして風乾を半日ほど。薫製はその仕上げ温度によって「冷薫」「温薫」「熱薫」と3種に分かれるが、ベーコンは「温薫」がよいらしい。
実は自分で本格的な薫製をやるのは今日が初めて。かなりむかし仕事で取材してイラストを描いたことがあるので、そのイラスト通りにオイル缶を2個連結した薫製器を自作してやってみることにする。
というわけで先日買ったオイル缶は薫製に使うのだ。ほんとうは廃品利用すればタダで手に入るはずなのだが急がねばならないので新品を購入。ひとつ700円ちょいだった。
まず一つの底を抜く。100円ショップの缶切りを使用。
切り抜いた底の部分を利用して接続金具を作る。金バサミで長方形に切り取り金属用のドリルでビス穴を2カ所開ける。ちなみに金工ドリルは木工にも使えるのでセットを買っておくと便利だ。
できた金具をあてがって軽くドリルを当てて印をつけ、オイル缶のほうにも穴を開ける。
ボルトで緊結。ちょっと写真では分かりづらいがこの六角ボルトには+が切ってあるので締めるのにドライバーが使える。
これを十字に4カ所。
ここにフタをくり抜いたほうのオイル缶を逆さまに被せる。
把っ手はじゃまなので外す。接合部をドリルとペンチで壊さないと取れなかった。
その把っ手を利用してベーコンを吊るす支持棒を作る。ペンチで真っすぐにのばしてほどよい長さにカット。オイル缶の最上部に穴を開け支持棒を通す。
上部に耐火ガラスの鍋ぶた(ツマミは外してある)をかぶせて薫製器の完成。庭に出てブロックでかまどを組んでおく。このガラスぶたはホームセンターで600円くらいで売っていた。サイズが微妙でピッタリはまらないので缶のほうを内側に曲げたりしてみたんだけどやっぱり少し隙間ができてしまう。まあいいや。
さて、薫製用のチップだが、ちょうど薪にヤマザクラがあるので、それをオノで刻んで使うことにする。
どのくらい必要なのか分からないがとりあえずこんなもので。
着火。
底にチップを置く。アルミホイルを敷いて、取り出せるようにしておく。
煙が上がってきたのを確認して肉を吊るす。わくわく。
途中で上の缶を外して覗いてみると炎は出ずに煙だけが出てチップの炭化が始まっている。この煙に強い防腐作用があり、かつその木固有の風味がつく。これが薫製の原理である。しかし、ヤマザクラのチップはなんともいい香りである。チップに向く木は他にリンゴ、オニグルミ、ナラ、ブナ、ヒッコリー、ホワイトオークなどがあるが、ヤマザクラは燻香が強くマトンや豚肉などくせのある素材に向くといわれる。
しかし15分ほどで煙がなくなってきたのでチップを補給する。缶は素手で持てないほど熱くはならない。実はこの缶の中の温度も重要で、温薫は50度以上70度以下に押さえねばならない。が、温度計がないので勘でやるしかない。炭化したチップが発火していると中の温度が上がるだろうし、火力をしぼれば煙が出なくなる。
時間は2時間を目安にした。4時半から始めたので暗くなってしまった。
チップは3回継ぎ足した。最初水分の多い白い煙が出て、終盤は青くなるのは炭焼きのときと同じだ。ガラスぶたは中の様子が観察できるのでやはり便利だった。
完成。良い色に仕上った。納屋でしばらく吊るして冷ます。
冷めたらビニール袋に入れて冷蔵庫で保存。今日は薫臭が強過ぎるだろうから2~3日寝かしてから食べ始めよう。
まずはベーコンエッグあたりで(わくわく)♬