ななくさでのライブ最終日。お客さんは少なかったが、いろいろ出会いがあって次につながりそうな気配だ。『現代農業』連載をみて以前アトリエを訪ねてくれたIさんも聴きに来てくれた。ライブはいままでで最もいい出来だったかもしれない。
ギターの練習はメトロノームを使ってやったりもする。相方は歌によってパチカを振ったりするが、基本的にリズムをキープするのは僕の役目なのだ。普通ギタリストは足のステップでリズムをとろうとするが、スローな曲でリズムを保つのは非常に難しく、いつも苦労している。
昨夜、練習中にそのコツを発見した。弦を弾くほうの右手首を、アルペジオを弾きながら振り子のように使ってリズムとるのだ。そういえば、ジャズギタリストの宮ノ上貴昭さんがこんな手の振り方をしているのを思い出した。相方曰く、おかげで今日の「童神」はとても歌いやすかったそうだ。
僕らは音楽のプロではない。だいいち練習量がプロに比べてお粗末すぎるほど少ない。本業はイラストだし、僕も相方もここで様々なことをやっているので、音楽だけに集中するわけにはいかないからだ。だいいち二人とも音楽活動を意識してスタートするのがあまりに遅過ぎた。
僕は小学校の頃から音楽の授業は大嫌いで、通信簿はいつも「2」か「3」だったから、自分が楽器をやったり作曲したり歌ったりするというイメージがなかった。相方もまた、僕と紙芝居ライブをするまで歌の才能を眠らせていた。「天使の歌声」などと絶賛される相方だが、不思議なことにこれまで人前で歌う期会がまったくなかったという※。
ともあれ、一期一会。一回ごとのライブを誠心誠意をこめて全力でこなすこと。こうしてSHIZUKUはここまで来た。ご来場のみなさん、ありがとうございました。そして今後とも、ご声援よろしくお願いいたします。
(帰りにスーパー林道で3頭の子鹿に出会った。ここで鹿を見たのは初めてだ。アトリエにすぐ近いところである)
※高松に暮らし始めてからお父上から聞いた話だが、実はYKは高校時代に父とカラオケに行ってちょくちょく歌っていたことがあり、それはやはり大評判であり、その頃某音楽レコード会社からスカウトの打診まであったそうだ。