心配のユズの木はなんとか大丈夫そうだ。毎日見回りにいって声をかけ、1日おきに水をたっぷり与えたし、雨も降ってくれたから。仕事のくぎりがついたのでさっそくお出かけ。まずは富岡。漆喰彫刻のある成田山不動堂、国の重要文化財の貫前神社、宮崎公園内にある旧茂木家、そして安中に移動して旧碓氷社をみる。
伊豆で長八をみて以来、鏝絵・漆喰彫刻が気になる。成田山不動堂は小さなお堂だが周囲の壁にくまなく漆喰彫刻が施されている。
中国の故事にならったモチーフらしい。同じく群馬の渋川猿田彦神社のものにもよく似ている。このお堂はカーナビで発見できず、富岡市立図書館で資料を探し、館内の人に場所を教えてもらった。漆喰はかなり痛んでいて、鉄骨の屋根で覆われているものの、落書きもあったりしてなんだか悲しい佇まいなのだった。
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周囲に狛犬のレリーフを配した銅製の大きな灯籠がある。そこから門をくぐって階段を下りていく、という配置になっている貫前(ぬきさき)神社。重文の建築も立派だが、本殿の奥のまわると身体が吸い寄せられるようなエネルギーを感じた(波動に鋭敏な相方はすでにクラクラ状態)。そこにはしめ縄を巻かれた御神木のスギがあるのだが、それが枯れているのだった・・・。
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旧茂木家は神農原にあったものを公園内に移築したものという。石屋根や土壁までよく再現されていると思う。金網で囲まれ、鉄の扉には鍵がかかっていて中は見れなかった(ふだんは見れるのか「見学100円」と書いてあった)。1527年の建造で板葺き石置き屋根の現存する民家では最も古いものという。
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碓氷社は安中の国道を通るとき、いつも気になっていた。この辺りは郊外店が多く、隣がホームセンターでその駐車場の片隅にある、という感じだ。近寄ってみると案外に華奢で、洋風木造の香りがある。万場にあった宮前家の別荘(2年前に取り壊されてしまったが)に雰囲気が似ていると思った。
しかしこれまた「大事にされていない」感じが漂っている。隣のホームセンターがぴかぴかでデカ過ぎなのだ。ところで、僕らはアトリエに暮らしてからというもの、化学薬品的なニオイと電磁波にかなり敏感になってきた。ホームセンターン内では農薬売り場と合板売り場が臭い。ゲームセンターや電気街など過剰に電気を使った場所もダメ。ふらふらしてくる。相方は化学調味料や添加物、異常な油脂など味にも敏感なってきたようだ。これらはヒトとしての正常なセンサーだからいいことなんだけど。