バロンNo.3入場す。


山暮らし・神流アトリエ時代にファンになっていただいた方は知らないだろうけど、実は私はこれまで東京在住時代にかなりの数のネコを飼ってきたのである。電子本『北アルプスのダルマ』には片足の猫の出産話が出てくるし、初期のHPでは「バロンの風船玉日記」という育猫記までやっていたことがある。下がそのときの扉である。

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そう、このときの猫の名前が「バロン」だったのである。が、すでに2代目の名付けだったので、現在の黒猫は3代目バロン、ということになる。当時の育猫記は私の3人娘たちとの交感を織り交ぜてあり、猫も壮絶に可愛くてなかなかの名作だと思うが、もう公開はしない。

そのかわり2代目バロンが家に来たときの「日の出日記(2002年)」をここに再録しよう。私と過去のネコたちのストーリーが描写されているからである。

◆113.わが名はバロン★’02.1.29


やれやれ、ついにネコがわが家にやってきた。
亡くなったおばあちゃん(義母)は目を患っていたこともありネコが嫌いな人で、だから日の出のわが家でネコを飼うのはせめて一周忌が過ぎてから・・・と思っていたのだが、うちの子供たちはもう1日も早く犬ネコを飼いたくて飼いたくてしょうがないのである。なにしろ「ネコはいつから飼っていいの?」とか、「どんな犬を飼おうか?」とか、鬱陶しいほどしつこく聞いてくるのだ。

親戚の叔父が子猫をくれる、というので昨晩貰ってきたのであった。娘たちはもう喜びまくりである。今朝は早起きして撫でまわし、学校も遅刻寸前・・・このぶんでは子猫が疲れてまいってしまうのでは? とちょっと心配。

名前は「バロン」に決めた。これは以前飼っていたネコの名前でもある。そう、わが家はこの日の出町に越すまでは都心のアパート暮らしで、本当は飼っちゃいけないんだけどいつもネコを飼っていたのだ。というのも、オレが動物好きなので、どこへ行っても勝手にネコがやってきて住み着いてしまうのである。一時は6匹のネコを飼っていたこともあるほどだ。

この時はクロくんというネコが勝手にベランダの窓をこじ開けて、わが家に住み込み(ホントです)、しばらく居候したあと玄関の靴箱の下で出産したのだった。子猫が成長して走り回りだしたころ、さすがに大家さんからクレームがきて、しかたなく動物病院や新聞に広告を出して貰い主を探し、みんなお別れしたけど。このとき一番印象に残っていたネコがバロンという名前であった。バロンというのはエスペラント語で「風船玉」の意味である。

自作『北アルプスのダルマ』にも登場したチョロチョロというネコは、やはりノラの子猫時代にわが家に来はじめた。家に出入りしているうちに、後ろ足の切断事故という大騒動をやらかし、夜中に血だらけでわが家に駆け込んできて動物病院で大手術。そのあとは出産騒動で去勢。白くて美しいメスネコだったけど、勝ち気で人間のような性格で、その不思議な交感は楽しかった。このネコとの出会いがなければ、あの作品は生まれなかったろう。

ダムダムはげっそりやせこけてわが家にやってきた。アパートの前で彼が「助けて下さい」と言っているのが感じられ、オレは部屋に入れ仕事机の下に段ボールの箱を置き、そこにタオルを敷いて彼を寝かせておいた。ダムダムは昼間からそこで何日も眠っていた。全身から小さな虫がたくさん出てきたときもあった。食事にはキャットフードの他に新鮮な魚や削りたての鰹節をたっぷり与えた。

元気になったダムダムは実に気品のあるネコだった。卑しくエサをねだることもせず、窓辺でまどろみながら遠くを見つめている姿は、野生の豹を思わせるようだった。外出を好むようになり、オレは自由に外出できるように窓のすき間をいつも開けておいた(オレは基本的にネコはネコの自由にさせるのが一番だと思っている)。そして、いつの間にか家に戻らなくなった。

ところが、かなりの時がたってから、ダムダムは赤い首輪をつけ、コロコロと太ってオレの前に現われたのだ。どこかの家で可愛がってもらっているらしかった。「よかったなダムダム。毛並みもぴかぴかじゃないか」それから月に1度くらい顔を見せるようになったが、やがて再び姿を見せなくなった。

その間にも、何度か他のネコが出入りしていたのだけど、近所の目もうるさくなり、おばあちゃんもやってきて、ネコたちはだんだんと家に入らなくなっていたのだった。そしてわれわれ一家は、日の出町への引っ越しが決まった。荷造りを終え、トラックが出発し、アパートの部屋の最後の点検をしている時だった。ふと、ドアの前に見覚えあるネコが立っている・・・。

ダムダムだった! 彼は「やあ、引っ越すんだね。あんときは世話になったね」とでも言いたげに、こちらをじっと見ている。そしてオレたちに撫で回されると、大きく「ニャー」と鳴いて、ふたたびゆっくりと道を戻っていき、曲り角でもう一度振り向いて、消えていった。それは本当にアパートを立つ最後の日の最後の時間だった。

ネコは人間をモニターして他の星座に情報を伝える「宇宙のラジオ」のようなものだ・・・そんな話を読んだことがある(『プレアデス+地球をひらく鍵』原題『EARTH Pleiadian Keys to the Living Library』by Barbara Marciniak)。他の世界との接点であり、それほど高くないエネルギー入ってくると、ネコはそれをさえぎって波動を変えることができるんだそうだ。

子供たちは学校の授業も気もそぞろ。今日は飛んで帰ってくるはずである。はてさてどんなストーリーをもたらしてくれるやら………………★

というわけでネコは引っ越すたびに必ず向こうからやってくるのだが、山暮らしのときはさすがに飼う余裕がなかった(ネコは来たけど・・・)。でも桐生時代は野良のニャン太郎を半飼いしていたよね。

ニャン太郎くんは過去のYouTubeにちょびっと登場しているのだが、この動画はロケットストーブもののせいか海外からも多数アクセスがあり、現在までになんと8万アクセス超になっている(こちら)。

子猫が来るといつもネコじゃらしを自作するのだが、さっそくバロン用のものを作った。Gomyoで採ってきた竹の細い先端にブルーの荷ひもをくっつけたものだ。

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3代目バロンは初めての黒猫であり、なんというかデザイン的に面白い。黒いので爪と歯と舌が目立つばかりでなく、顔つきがオコジョのようにも見え、ツキノワグマを思い出させ、ひっくり返って骨格があらわになるときなどはコウモリの姿が見える。

今日からベッドでいっしょに寝ることにする。しばらく睡眠不足が続くよねw。

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