群馬にまた巨大ショッピングタウンができた。前橋の「ケヤキウォーク」というのだが、さっそく取材に出かけた。中に飲食店や映画館やゲームセンターを配備し、かの有名なEそっくりのつくりだった。しかし「ケヤキウォーク」のほうが建物としては安っぽいかも。が、駐車場のキャパは3,300台とEを上回っている。
この中には紀伊国屋書店が入っていてかなり大きなフロアーを占めている。前橋には煥乎堂(かんこどう)という老舗の本屋があるのだが、どうなってしまうのだろうか。スズラン百貨店も大丈夫かな。スズランはセンスいい品揃えが好きだし、食料品売り場の質もなかなか良い。高崎店の地下には「すかや」という安くて旨い立ち食い蕎麦屋があるのでガンバってほしいぞ!
「ケヤキウォーク」のゲームセンターはご当地「だるまキャラ」のコーナーがあったりして、おっかさんや婆さまらの「付き合い買い物」の待ち時間をつぶしている萎びた父が、子供たちとコインゲームに高じている。子供たちの熱の入れようが悲しい。
それを見て、ハッ!と思った。ぬいぐるみの獲物を狙ったり、映像で捕らえたりというゲームというのは、実は昔の「昆虫採集」とか「釣り」の代用なのではあるまいか? と。子供たちの虫捕りや釣りの場所がないから、こんなことになってしまうのでは? と。
空間やデザイン、品揃えに、Eのような悪魔性が感じられなかったのがせめてもの救いであった。ケヤキウォークという名は、植え込みにケヤキを使っているわけではなく、近くにケヤキ並木の道路があるからのようだ。ここは元自動車工場の跡地である。