このところ野良作業が続く。「今日は温泉に行きたいっ!」と思い立つ。
「温泉王国」群馬・・・。僕らにはまだまだ巡り尽くせぬ名湯秘湯が残っているのである。四万(しま)温泉は以前、老舗の「積善館」の湯につかったけど、何件かある共同浴場はまだ入っていない。で、最奥の源泉である「御夢想の湯」に行くことに決めた。
ネットや書籍で調べた情報では、源泉の湯量は少なく、2~3人しか入れぬような小さな湯船だという。平日とはいえ油断はできない。案の定、温泉街に入るといるわいるわ、リタイアした「平成のジジババ様」に平日も土日もないのだ。
道を聞きながら「御夢想の湯」にたどり着くと、なんと新築の湯屋が建っている。木造の立派なものだ。駐車場も広々ととってあり、足湯のあずまやまである。こりゃダメかも・・・。と不安な面持ちで中へ。
建物はヒノキ造りだが、湯船は石だった。ジジ様2名、太め中年メガネ氏1名、がちょうど上がるところ。ラッキーなことに一人で湯を堪能することができた。
それにしても狭い湯船だ。湯量もチョロチョロ。だが、それこそ源泉掛け流しの証しでもあろう。やわらかい湯である。無色透明。硫黄臭もない。飲泉してみたが味もほとんど感じられない。ひょっとして・・・(単なる山水の沸かし?)まさか。
ところが湯から上がって着替えていると、じわじわと効いてくる。汗がひかない。帰路の運転中もホエホエ状態のすごい温泉効果。さすが天下の四万、最古の源泉だけのことはある。草津の「地蔵の湯」に匹敵する素晴らしさだ。しかし、草津のあの白濁強酸性の強烈な湯とはなんという違いだろうか。
近くには茅葺きの重要文化財「薬師堂」が建っている。古来から病気治しの秘湯であったことを彷彿とさせる不思議な湯であった。