風の盆、お祭り用の臨時駐車場で車中泊したケムトレイル雲たなびく翌朝。周りには同じく車中泊したと思われる車がこのような密度に。札幌、宮崎ナンバーまである。これが全部ジジババ様なのだからスゴい。
彼らの朝は早い。5時前には起き出してペチャクチャと世間話をしている。お。向こうの芝生にテントを張っている豪の者がいる(もちろん幕営は禁止のはず)。「若者もいたのか」と、ホッとしたのもつかの間、そのテントをたたみ始めたのはやっぱりジジ様だった。
お祭りは三日間あったが、もう見る気分ではなかった。同じ海を見るコースで帰路につくことに。途中、糸魚川で、ガソリンスタンドで情報を得た「上乃家旅館」の食堂で朝定食。これが盛りも味もすばらしくて目がヒスイになりそうだった(糸魚川ではヒスイが採れます)。
糸魚川からフォッサマグナに沿って南下し、途中で小谷温泉に立ち寄り湯。山田旅館という源泉の宿だ。建物がごらんのとおりの古い木造三階建て。
お湯も良かった。炭酸水素塩泉で自家湧出源泉からの掛け流しがドボドボと湯船に注いでいる。飲泉もできる。これが入浴料500円、素朴で良心的なままだ。でも、ここにも他県ナンバーのもみじマーク車が。今どきのジジババ様はネットを使って秘湯を調べて来るので侮れない。
信州上田城の石垣を見て帰る。中段に最近の補修部分がある。現在、公共建築の石積みは、裏にコンクリートを使うことが義務づけられている。自然石では構造計算ができない、という理由からだ。コンクリートなら土圧に対する構造計算ができるが、その場合、石は単に化粧になり、コンクリートに張り付いているだけだ。だから、石垣がまるでタイルのようで顔に強さと締まりがない。
上段と下段の昔の石垣は、自然石の野面積みで、なんとも味のある表情だ。このいかもに信州らしい石垣が私はとても好きだ。