時代は林道だ!


7日、8日と群馬森林管理署の主催で作業道づくりの講習会が行なわれる。場所は安中市の国有林。この講師は、いま僕が『現代農業』誌上に連載している「崩れる林道 崩れない林道」の取材先である高知県四万十町の田邊さんである。

詳細を聞きに前橋にある群馬森林管理署まで行き、取材の了解(すでに田邊さんにはOKをとっている)を得、集合場所やなど詳細を聞いた。その足で現地へ下見にいく。

帰りぎわ、磯辺温泉に寄った。いつもは「恵みの湯」だけど「高台旅館」の日帰り入浴(800円)へ。高台の夕焼けが見える温泉という宣伝文句だったので期待したのだが、露天風呂からはそんな景色は全然見えない。ちょっと損したかも。

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ポスター制作


朝からポスター制作の詰め。相方に杉ペンで書いてもらったタイトルを、雑誌連載に使ったイラストを薄い地にしてその上に載せる。Y先生の奥様の似顔絵を描き、写真作品と供に配置。その他、オミナエシ街道で撮ったSHIZUKU画像やらを配置。

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林道のDVD


意外に涼しいので、草刈りしたり外で本を読んだりする。午後から、9月の「ららん藤岡」で行なう個展のポスターデザインをする。相方のクラフトの新作写真を載せたいので、1点だけ先行して作ってもらう。

四国の高知県四万十町の田邊さんと電話で打ち合わせ。8月上旬、関東で田邊さんらが作業道づくりをするのでその取材の段取り。先日、編集部経由で、九州森林管理局『壊れない低コスト路網の実現に向けて』というDVDと冊子を入手。よくできている。が、これだけでは「とても自分ではこの林道はつくれないな」という気がしてくる。

その最も重要なエッセンスの表現が抜け落ちているように思える。それにしても、なんとも大胆不敵、独創的な道作りの手法だろうか。一方で、なぜこの方法に気付かなかったのか? という気もしてくる。日本の気候風土を逆手にとった、とも言えるのだ。ともあれ、ここに気付かないと、魂の抜けた林道づくり・森づくりになってしまうのだ。

それを文とイラストの力で表現しなければ、と意欲が湧いてくる。


宅ふぁいる便で/水源異変


ハチを観察にいく。数秒に1匹の間隔で花粉をつけたハチが巣に帰ってくる。ニホンミツバチは野草の花の蜜を集める。スズメバチの攻撃にもびくともしない。天敵はクマだけだ。だから、ずっとこのまま見守っているだけでいいのである。畑の敷地にミツバチを飼っているというだけで、なんとも豊かな、幸福な気分になれるものだ。

午後から連載イラストの本描き。水彩紙にペンと淡彩で仕上げ、厚トレで別版をとって手書き文字を書く。それをスキャンしてパソコンへ入れる。画像はEPSファイル、文字版はTIFのモノクロ2諧調データ。それぞれフォトショップで修正し、イラストレーターで版合わせ。さらに引き出し線などを配置する。

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林道取材、西へ1.(諏訪神社)


高知県四万十町(旧大正町、H18年合併改変)へ林道取材へ出発。主役の田辺さんとは3年ぶりの再会となる。鋸谷さんと同じく、この田辺さんの林道づくりはなんとしても世に大きく登場させるべきであり、連載後は単行本化を目指すわけだが、内容が「林道」だけに読者が限られるという懸念もある。しかし環境親和型の林道は、木の売り買いや森の管理しやすさだけの問題ではない。

1)林道づくりを考えることで、西洋由来の土木技術(自然をねじ伏せ、コンクリートで固めてしまう)を根本から考え直すきっかけにもなる。それは日本古来の土木技術を見直すことにもつながる。そして日本の山の特質が見えてくる。

2)山林で使う道具やエンジン機器、軽自動車や林業作業機械まで含め、これらの改良の余地がたくさん残されている、ということが見えてくる。それを解き明かすことにも大きな意義がある。

3)高密度作業道をつくることで頻繁に山を行き来するとき、環境親和型でありながら鋸谷式とはやや異なる新しい林業のセオリー(技術・管理手法)が生まれるのではないだろうか。鋸谷式間伐は、どちらかと言えば林道がなくてもできる荒廃林を最短距離でローコストで最良の山に持って行く手法であった。一度間伐すれば10年は放置できる、という伐り方だ。しかし、作業道があるなら、同じ環境親和型林業とはいえ、管理の仕方は当然変わってもよいのである。

林道というと、環境保護論者には環境破壊の代名詞のように聞こえるものだが、この「森を良くする田辺林道」をするとき、目からウロコが落ちる人がたくさん現れるだろう。

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