四万十式作業道取材16.(世にも不思議な物語「林業」篇)


徳島の穴吹で泊まらせていただいた家の家主、Iさんは70歳。年金生活者だが、夫に先立たれ山林に莫大な借金を背負っている。木が飛ぶように売れた時代、政府の金融機関「農林漁業金融公庫」からお金を借りて、植林や手入れをし続けたからだ。

当時は日本林業の黄金時代。やがて材価が暴落し、林業がどん底産業になるなどとは夢にも思わなかった。だから、貸す方も貸す方で、どんどん貸し付けしたらしい。

Iさんの山は手入れされているので良木がたくさん残っている。が、現在の価値では立ち木は二束三文であり、担保の土地の評価額は驚くほど安い。
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