メバルの塩焼き


瀬戸内の海は波がない。が、潮流は激しく変わる。干満の差によって生まれる流れが、肉眼でもわかるほどだ。直線的な波止場の水面さえ、ちりめん状にさざめき、ちいさな渦を見ることさえある。

もちろん干満のピーク前後には潮が止まり、風がなければ水面は鏡のようになり、森が落ち込んだ自然海岸線でそれを眺めていると、ここが海ではなくどこか高原の湖であるかのように思われ、不思議な気分になる。

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