朝起きると、久しぶりの雨だった。明け方にベットルームの下地窓から元気に飛び出していったドリーが、外から入れてくれと鳴いた。そして、窓を開けると勢いよく部屋に入り込んできた。もちろん足は汚れているので、ドリーをキャッチして洗面所の雑巾で足を拭く。
初めての冷たい雨に打たれ、そして窓からの出入りが成功したことの嬉しさなのか、その後は「グルグル」と喉を鳴らしながら、もう一度寝ようとする僕の顔の周りを何度も行きつ戻りつする。けっこうな重さになったドリーに喉の辺りを踏まれたりして眠るどころではなく、いいかげん嬉しさを通り越して「カンベンしてくれ〜」と床に放り投げると、ドリーは2階へ上がって静かになった。