ヤーコンとサトイモが大きくなってきた。ここは二つある畑地の上のほうで、イノシシ柵はない。株のまわりだけ草を刈り、周囲は雑草を放置しつつ、部分的・選択的に草刈りをしている。
カラムシは刈っても刈っても次々と大きく育ってくる。その葉の上にラミーカミキリ。とてもよく目立つ鮮やかな文様だが、彼らにすれば鳥の糞への擬態なのかもしれない。
囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
ヤーコンとサトイモが大きくなってきた。ここは二つある畑地の上のほうで、イノシシ柵はない。株のまわりだけ草を刈り、周囲は雑草を放置しつつ、部分的・選択的に草刈りをしている。
カラムシは刈っても刈っても次々と大きく育ってくる。その葉の上にラミーカミキリ。とてもよく目立つ鮮やかな文様だが、彼らにすれば鳥の糞への擬態なのかもしれない。
今年もルリボシカミキリがやって来る。薪を侵す害虫だが、コイツは許す。日本に棲むカミキリムシ約800種。その中で最も美しいものの一つ。このカミキリムシの古語(漢名)は「天牛(てんぎゅう)」という。
木の「伐り旬」というものがある。木材を使う場合、その木をいつ伐り出すか? で、その材の質はずいぶん変わってしまうのだ。木も竹も、材として使うなら伐るのは「秋」が最適といわれている。もっと幅広く表現するなら、お盆過ぎから年内まで。すなわち9~12月、といっていいかと思う。
この時期は木が水を吸い上げない、活動が止まった時期だからで、8月のお盆の時期なんてまだ旺盛に木は水を吸い上げ成長しているんじゃ? とか、1月なんてまだ冬だから伐っても大丈夫では? などと思うかもしれないが、木(植物)は人間の感覚よりも常に季節を先取りしているのだ。
アトリエに来て最初の冬、’05年の1月9日にクヌギの大木を伐った。そのとき、すでに水を吸い上げており、切り口からしずくがポタポタと落ちた話しは前のホームペ-ジにも書いた。
それを仕立てた薪は、やっぱり虫食いが酷かった。1年目の夏、薪置き場にたくさんのカミキリムシが来ていた。キイロトラカミキリが非常に多かった。秋頃から薪の中でカリカリと音がする。中枝などは穴だらけで地面に叩くと折れてしまうほどだった。これには驚いた。
そして薪2年目の今年、第二回目のカミキリムシ様、飛来。産卵を経て、またまた幼虫がいるのであった。ノコギリで薪を切ってみるとまるでレンコンのようになっている。これじゃ薪としての歩留まりは半分以下だ。クヌギは本来、硬い木で、マサカリを跳ね返すほど稠密な材質である。が、穴だらけにされたその穴には、カミキリムシの幼虫の食いカスや糞が詰まっている。薪だってくすぶる。
草取りをずいぶんサボってしまったのと、雨続きで畑の作物が寂しい。それでもレタス、キャベツ、セロリを採取。シソとラッキョウとクルミを入れたサラダにする。もりもりと力が湧いてくるような味わい。相方と2人で皿いっぱいを平らげてしまう。
ここのところキツツキのドラミングがよく聞こえる。少なくとも3~4匹、同時に方々から聞こえるのだった。
と、なにやら薪置き場から「カリカリ・・・」というかすかな音が。これは薪に虫喰いが入ってしまったのだ。昨年の1月に伐ったクヌギの薪がとくにひどい。
丸1年乾燥したのだから、今時分は最高の薪として囲炉裏で活躍するはずだった。思えば初夏の頃、カミキリムシがさかんに産卵に来ていた。そして秋あたりから「カリカリ」と音が聞こえるようになり、薪置き場に木の粉が吹いている。皮をはいでみると小さな白いイモムシがぽろぽろと落ちた。