カタクリのスケッチ


ようやく梅が咲きそろい、地面から萌え出た緑が一気に目立ち始めた。水路際の落ち葉取りと草むしりをやった。敷地は、昨年の春とは変わってきているのがはっきりとわかる。花の種類と数が増えたことがあげられる。生活圏を適度に草刈りすることで、様々な花が息を吹き返したかのようにみえる。他の植物に被圧されて息も絶え絶えだったクリンソウは、そのロゼットの数を急激に増やした。いままで見られなかった水路の中間点にも出てきている。

ここに来た当時、洗濯物の脱水しぼりに使っていた竹を外して、ノコで切ってからナタで割り、それを燃やし、お湯を沸かした。乾いた竹はよく燃え、いい燃料になる。その竹を縛っていた麻と藁の縄も、燃やした。当て木にしていたスギも燃やそうとナタで割ったら、その灰色にくたびれた表面とは裏腹に、艶やかな断面がみえた。1年以上雨ざらしだったのに、変色しているのはほんの表面だけなのだった。虫食いもまったくない。

純粋な自然素材の道具は、くたびれたら燃やすことで、燃料として役に立ち、ゴミにもならない。植物系の自然素材は、人間がちょっと手を貸してやるだけで、条件さえ整えば自然に育ってくれる。このすばらしい循環を再び大切にしたいものだ。

カタクリをスケッチした。敷地の石垣のきわに群生している。昨年発見し、シャガに埋もれていたのをカマで周りを刈って、落ち葉を少し取り去ったのだ。フクジュソウもそうだった。両方とも、今年はたくさん花が咲いた。今の季節は刺す虫がいないのでスケッチも快適である。

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スケッチを始める


前日、アトリエ到着後メールを開けると、新たな連載の打診が来ている。面白い、これはやってみたい仕事だった。と、その展開が決まると同時に、個展につながるやるべき道筋が見えてくる。何か、もつれた糸がほぐれた感じだ。で、今日は野草のスケッチをやった。

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