木が大好き。無垢の木をふんだんに使いたい・・・というコンセプトはあるものの、どこまでも木にこだわって木だらけにしたらとんでもなく高い家、使いにくい家になってしまうこともまた事実。
わが家は外壁はガル鋼だし、バルコニーはドブ浸けの鉄。両方とも無垢のスギでいくプランもあったのだけど、いまのスギ材は昔とちがうので耐久性を考えると外にはあまり出して使いたくないのだ。
まあ適度に新素材を使うのも手なのである。
それに最近の疑似木目のプリント技術はなかなかのもので、たとえばこれはキッチンの引き出し、そのデザインと相まってむしろスッキリ美しい。
実は玄関ドアも本物の木ではない。
三共アルミの既製品で、ウォールナット材の古木調の仕上がりなのである。フラットなプリントではなくごくごく浅いスクラッチが木目の方向に入っているのでよりリアルに見える。お客さんはたいがい騙されて帰っていく。
ドアぐらいは本物の木で作りたかったが、値段が高い上に裾(下)の部分が長年のうちにどうしても変色する。とくに雨の多い日本でこれは防ぎようがない。いろいろな場所で観察したがあれはどうも見苦しい。京都では変色をなおす「洗い屋」という専門職があるそうだが・・・。
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ユニットバスの内壁。
これまたごくわずかにスクラッチが入っている。ドア類はシナベニアのフラッシュで作っているので、それらと調和する色を選んだのである。
洗面所の鏡と置き台は「無印良品」のを買って自分たちで取り付けた。タモ材のツキ板のもの。つまり無垢ではなく薄い板を貼っている。
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キッチンも最初は木製でオーダーメードを考えていたが、見積もりを見て諦めたw。木が好きな人は台所まで木の天板を使いたがるが、私のように頻繁に魚料理をする場合はステンレスにこしたことはない。無垢の木、とくに大きな板は反りや割れという変化が避けられない。だから水に出会う場所はよくよく考えたほうがいい。
バランスも大事である。
アイランドの天板に中古のパーティクルボードを再利用したのだが、手前の脚にはコンクリート・ブロックを使った。北欧テイストにもなり、暖炉の石やキッチンのカラーとも呼応すると思ったからだ。なにより材料代が安い(1個80円)。それだけでなく、もしここに無垢板などを使ったら、プリント木目のニセモノ感が際立ってしまったのではないか。なにしろ床もスギ無垢だし。
コンクリートという異物を挟み込めば、プリントも悪くないのである。
(ただし、やり過ぎてはいけない)