ホームセンターに秋植えのタネや苗を買いにいき、午前中は畑仕事をみっちり3時間。ダイコンとほうれん草を多めにまいてみた。あとは実験的に少しづついろいろ。春菊、ブロッコリー、パセリ、青ネギ、カリフラワーなどなど。
ここはエダマメで失敗した畝。いちばん日当りがいいのでダイコンにした。
敷地の草はいくらでも生えてくるので、刈っては畑のかたわらに小山に積んでおき、生ゴミを挟みながらときどき切り返しをして、3段階くらいに山を移行させている。昨日はいちばん最初の山がほぼ堆肥化したので畑にまいた。
雨ざらしだが、夏期に乾燥するここでは、むしろ水を加えたほうがいいくらいだ。切り返すとダンゴムシとドバミミズがたくさんいる。分解は速く、全体が茶色に変色し出すと体積がぐっと減ってくる。群馬の山の畑のときより堆肥化が早い。
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春に植えたコリアンダーやディルが終わった後、放置して草をたっぷり生やさせておいた。そこをいちどきれいに草刈りして、その草は堆肥山へ積む。昔の畝(うね)を利用してまたタネをまくのだが、雑草の根があるからそれを片手使いの四本鍬で掘り出し、根っこから土だけを払って畝に戻し、根っこはかたわらに貯めておき、後で堆肥山へ積む。
こうして小さな開墾を繰り返しながら前に進んでいく。そのとき、畝の低い所の雑草の目立つ根も掘り出しておく。その土も畝の上で払う。すると畝も高くなるし土の収支もとれる。
驚くのは畝の土がふかふかに柔らかくなっていることと、土壌生物の多さである。それだけではない。片手鍬で掘っていると20cm近いドバミミズがしょっちゅう出てくる。また、ダンゴムシが非常に多い。大きなクモもいるし、カエルやバッタもそこかしこにいる。カタツムリやナメクジもよく見る。
早春にこの土地を耕し始めた頃は、クズの根と花崗土と、下水の腐敗臭のあった粘土状の土だった。それが畝の上ではほとんど消えて、ちゃんと畑の土に変化している。草の根や刈草の堆肥や生き物たちが土を変えたのだ。
夏の間食卓を楽しませてくれたニンジンがそろそろ終わろうとしている。キアゲハが次々とやって来て、葉っぱに卵を産んでいく。チョウのために残した花、ヤナギハナガサの紫がよく目立ち、それにもよく止まっていく。
隣に不動産屋が管理している空き地があって、そこでは除草剤がまかれており、草がほとんど生えていない。また周囲の多くの家では草を嫌い徹底除草する。土手などはエンジンカッターで常に管理されているので単純で貧弱な草地になってしまう。
結局、この畑とも草地ともつかない空間は、極小の里山なのだ。こんな場所が日本では極端に少なくなってしまった。この楽しみを皆知らないのだ。
来年はジャコウアゲハが来るようにウマノスズクサをどこからか移植してみたいと思うが、そういえば今日のホームセンターでは入り口の中央に除草剤ラウンドアップが山積みされ、隣り合わせで地元の新米が売られているのが象徴的な光景だった。