「豊島石」の島へ渡る


晴れたので豊島に日帰りで行ってきた。高松港9:00発の小豆島土庄港行きに乗船し、土庄港で豊島経由宇野行きに乗り換える。直行便もあるが時間が7:00発と早すぎる。写真は左から女木島、男木島、豊島。

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豊島、唐櫃(からと)港へ、初めて上陸。貸し自転車(電動機つき)4時間1000円(1時間超過ごと100円)もあるが私たちはいつもの折りたたみ自転車持参で行った。

※ただし1回ごとの船で自転車持ち込み運賃片道350円かかるので350×4=1400円もかかってしまった。これでは貸し自転車のほうが安かった。

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豊島は頂上の壇山(340m)にスダジイの原生的な森があって、島のわりには水が豊かな所で「清水霊泉」という有名な湧き水がある。当然ながらそこには集落があって棚田も広がっている。まずはそこを目指すが坂道がけっこうきつい。汗だくになりようやく到着。その水の冷たく美味しかったこと!

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石垣がきれいな集落で、節理のある石を利用した矢羽根積みの石垣が見られる。この石は「ごうや石」と呼ばれ、山や畑を掘るとよく出てくるそうだ。定住初期の開墾で出た石を積んだと思われる。

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古い民家や石垣を観察しながら細道を行くと「島キッチン」に出会う。地元のおばさんがいたので石のことをいろいろ教えてもらった。ここは親類の土地で元はイチジクの畑だったそうだ。

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豊島には「豊島石」という産業があって、加工しやすく石灯籠などが作られていた。凝灰岩だが大谷石のような色ではなく灰色で、見た目は骨材が浮き出した古びたコンクリートのようだ。

火に強く、カマドなども作られ、江戸時代の『日本山海名産図会』にも記載されているほど有名だったようだ。近くの商店前に石彫りのお堂が並んでいた。中に石仏が入ってちゃんとサカキが供えられている。こんな石堂は初めて見た。

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その先には豊島石で積まれた石垣があった。さすがに角だけは平たいごうや石で積まれている。

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甲生集落の方へ向かう。女木島や男木島で感じたように、緑がパワフルだ。昆虫が多い。蒲の穂が立ちセリが咲く湿地にトンボが飛んでいる。ここは元田んぼだったのだろうか。

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このコースは素晴らしい展望で、自転車がすごく気持ちいい。途中にオリーブ農園があった。

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コオニユリにアゲハが来ている。

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中腹にマツ枯れ跡。

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豊島石の採掘孔「大丁場」は立ち入り禁止になっていた。現在はまったく掘っていないらしい。

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採掘時の矢の跡がみえる原石が転がっていた。地味な色の石だが、灯籠や手水鉢にすると苔が生えていい味になりそうである。

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片山邸が開いていたので、中を見学し抹茶をいただいた。西日本有数の材木商の家で、庭石や大ソテツも見事だが、母屋茶室とも贅を尽くした銘木が使われている。なぜ。豊島に? 片山氏は保元の乱で讃岐に流された崇徳上皇の家来の末裔で、家の祠は御陵のある白峰寺を向いているそうだ。係の人にカマドや煙突も見せてもらった。

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田んぼ、海、手前の建物はアート作品のある廃校。ここからは五剣山、屋島、遠く高松のビル、男木島、女木島が見える。双眼鏡で見ると男木島の石の灯台がちょうど角に見える位置だ。

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また峠を越えて一汗かく。途中、お堂の敷地に巨大なクスノキが立っていて、その日陰がクーラーの効いた部屋に入ったように涼しい。

昼抜きだったので家浦港フェリー乗り場近くの喫茶店「シーサイド大西」で生ビールとカレーライスを。「港町や漁村のカレーは美味い(なんとなくパワフルで量がたっぷり)」という自説はここでも当たった♬ 白米の米粒が大きく、明らかに本土のものとちがう。これは豊島の地米なのか? 店の人に訊くのを忘れた。

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その後、フェリー発着までの時間まわりを自転車でぶらぶら。夕刻までずっとドピカーンの晴れ! 後のニュースで「四国は今日梅雨明け」と知った。こりゃ高松着いたらまたビールだよw。

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豊島、地図(国土地理院より)と今回のコース(赤ライン)。

teshima


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