豚と鷹と龍~旅の報告


一昨日、旅を終えて高松に戻ってきた。

今回の主な目的は実家の母の引っ越しの手伝いなのだが、ちょうどいろいろな他の用事(会合やら展覧会やら)が重なって、それらを総ざらいした実り多き旅であった。

まずは埼玉県の日高町にある柳田ファーム。実は本の執筆と平行して屎尿を微生物の複合発酵で液肥(エナジー水)に変える「あ・うんユニット」のホームページ立ち上げのお手伝いをしていた。柳田さんから関係者の会合があるからと誘われて顔を出してきた。

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敷地の裏庭には白い花が咲きなんとも神々しい気に溢れている。ここは豚の糞尿を分解した液肥(といっても飲料可能なほど清浄な水)をまき続け、表土がもの凄く豊かな微生物に満ちているので雑草があまり生えてこない。

お土産に豚肉をいただいた。冷凍肉だが高松までは保たないので氷を抱かせて数日後、水戸の実家で自分で料理して食べた。香ばしく、コクがあり、いままで食べた豚肉の中で最上級のものであった。

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埼玉からいちど静岡に戻って写真家の宮崎学さんの個展「自然の鉛筆」を見てきた。最終日で宮崎さん本人のギャラリートークが楽しみだったが予想通り非常に示唆に富む話だった。

今回の個展は宮崎さんの写真家としてのこれまでの軌跡を回顧する内容だが、新しい見解も示されている。ツキノワグマがニホンジカの死体をむさぼり食う写真が圧巻であった。

実はクマは土葬された人間の死体もよく食っていた。しかし近年火葬になり食えなくなったのだが、代わりにシカが大量に増え、それを食べ始めている。

さてそのシカが増えたのはヒトが融雪剤の塩カルを大量にまき、それがシカの強壮剤(サプリメント)になっているからだという。

重要なのは「共存とは食ったり食われたりする関係」という自然の真理であってヒトだけがそれを逸脱したあげく原発事故まで走り続けてしまった。

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東京で新著の打ち上げ(といっても追加の直しが追いかけて来たのだが・・・)を経て水戸へ。実家の引っ越しを手伝った後、北関東自動車道を初めて走ってみた。上田で蕎麦を食べて再び高速に乗り一気に糸魚川まで。フォッサマグナから湧き出る温泉に入り、河原や海岸で「姫川薬石」を拾った。

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五箇山の合掌造り集落へ。菅沼集落は換骨奪胎されたこぎれいな土産物屋ばかりでがっかりさせられユネスコ・世界遺産とはいったい何なのか? とまたまた考えさせられたが・・・

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村上住宅で本物の「炎の囲炉裏」に出会ってホッとする。白川郷ではカナワと呼ばれる大型のゴトクに鉄鍋を載せるが、ここでは鎖を使った自在カギであった。

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金沢で一泊。飴の老舗「俵屋」で囲炉裏を見せてもらう。といっても今は塞がれて箱火鉢が置かれているのだが、ケヤキ材の吊りカギが見事であった。

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2012年3月、東京国立博物館を皮切りに全国を巡回していた『特別展ボストン美術館日本美術の至宝』がいよいよ大阪でフィナーレを迎える。長年図版で飽くことなく眺めてきたボストン曾我蕭白の数々は予想以上にすばらしいもので、展覧会の目玉である「雲龍図」はもちろん、他の作品もすべてが楽しめる。

温かく、大胆で、緻密で、ユーモラスで、諧謔的で、どこか宇宙へ突き抜けていくような蕭白の龍は、新しい時代へ向かう日本に息吹を与えるべく降臨したように思える。快慶の最高傑作「弥勒菩薩立像」を最初に見せ、最後の部屋を蕭白にした構成も良かった。その部屋の最後の絵は私の大好きな「鷹図」で締めくくられていた。

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大阪のホテルはどこもいっぱいで、最終日は尼崎泊。ジモセンの串カツ屋に潜り込み、大阪人の波動の温もりに囲まれ飲みかつ喰らい、旅の打ち上げ。翌朝は六甲山を巡って森林植物園でツツジやシャクナゲを見る。

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実は今回の旅は「群馬から来たイイモノ」(←車のコト)でETC入れて高速ばんばん走ったのでメチャ楽だった~。でも財布はスッカラカンだし、ETCの請求がコワい・・・@@;

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おまけ。高松に帰ったらすかざず讃岐時間。国分寺「一福」のかけ2玉+小エビ天&春菊天。讃岐も最高なのだぁぁぁ♪

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