大峰奥駈道、せせらぎの里


玉置神社は2回目の訪問。前回は2003年の11月のことだから(初めての熊野行きだった)、ちょうど10年ぶりということになる。ここのスギの巨樹群ほんとうに凄い。県指定の天然記念物になっている。

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樹皮につくコケ。水がしたたっている感じ。熊野の山の水の豊潤さを感じさせる(これだから荒廃線香林が枯死せずにいつまでも立ち続けてしまうのだが・・・)。

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神社の先から登山路に入り、玉置山の山頂へ登る。そして大峰奥駈道を歩いてみる。標高は1000mちょっと。ブナ林が続く気持ちのいい登山道だ。ここは吉野から熊野本宮を結ぶ修験道、行者の道である。周囲はスギ・ヒノキの植林地であっても、大峰奥駈道の際(きわ)だけは自然林が残されている場所が多いという(このすぐ下に車道があり、その下側は人工林地帯)。

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ブナ林の中にシャクナゲやアセビ、ヒメシャラが見られた。シカの食害もかなりあるようで、草本類はほとんどない。

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Nさんに林業の現場をいろいろ見せてもらった。

その後「せせらぎの里」という養魚場のある食堂というかレクレーション施設に行く。そこは熊野川(十津川)の支流を延々とさかのぼる最奥の集落にある。

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河原に食堂やら休憩所やら小さな建物が並ぶのだが、それがスギ・ヒノキ丸太とスギ皮、竹を巧みに組み合わせて建ててあって実に楽しい。ログではなく、軸組なのだ。地元の大工さんの手によるものらしい。鴨居や敷居も丸太から削り出している。

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竹屋根もある。モウソウ竹の半割りを交互に重ねて屋根材にしているのだ。仕事のイラストで描いたことはあるが、本物は初めて見た。しかし、腕のいい大工さんなのだろう。どの建物も端正だ。

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これ、わかるかな。雨どいが半割り竹なのだが、その留めにカーブしたスギ枝をうまく利用している。

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アマゴをごちそうになった。養殖だがすこぶる美味しい。ここは1日3数組限定・定完全予約制でアマゴのフルコースやら石窯ピザやら流しソーメンやらその他いろいろが食べられ、川遊びや山歩きも楽しめる(大人4800円)。京阪神からの客が多く、リピート率も高いらしい。

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囲炉裏の自在カギにちょっといいのがあった!

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竹を使った実に渋いものだ。

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弁慶もここでは現役!

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いやー面白かった。ここで焚き火したり川遊びしたりぼーっとするのは京阪神の都会で神経すり切れた大人には最高の癒しだろう。紀伊半島豪雨のときは建物すれすれまで水が来たが、なんとか大丈夫だったそう。上流で土砂崩壊がなかったから助かったのだ、とオーナーの親父さんが言っていた。

取材とヤマメのお礼に、僕の本を2冊置いてきました。

せせらぎの里


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