竜ヶ岳名水・イイギリの赤い実


徳島の山奥にある「松尾川温泉」の噂を聞きつけて、昨年の冬に行った。源泉25℃を薪火で加温の源泉かけ流し。たしかにすばらしい湯質で、火山系温泉のない四国ではトップレベルかも? が、その日は湯船が小さいところに人がたくさんいて落ち着かなかった。で、ウィークデーに再び行ってみる。

ところが、たまたま入室がかぶってしまった爺さんグループが、脱衣所で、風呂場で、大声でしゃべりまくる。それが延々と続くのでげんなりした。

こんなことは他の温泉で何度か経験している。一度は学生のグループに山口の有名な温泉でこれをやられたことがある。たわいもないバカ話を大声でずーっと聞かされたのだ~。

地元のお爺さんと湯船で穏やかに会話を交わすのはいいものだが、私は基本的にウルサいのは嫌い。落ち着かないので早々と駐車場に戻り、荷物を整理していると、老人が話しかけてきた。この奥に名水があり、何年も前から汲みに通っているという。

行って見ることにした。

これが、なかなかたどり着かず、思ったよりかなり奥にある。それも断崖絶壁で、舗装はしてあるが所々ガードレールが切れるような道なのだ。途中から雪が多くなり、そして角ばった落石が多い。

ようやくたどり着く。

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確かにこれは凄い。岩の穴からかなりの水量がほとばしり出ている。すばらしくいい水だ。軟水なのでお茶や料理には最適だろう。だのに私たちは小さなペットボトルひとつしか用意がないのだったw

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ネットが張ってあるから安心だが、道の上も下も、切り立った岩壁である。

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ここは竜ケ岳という岩山と紅葉の名所であるという。こんな奥地なのに行列ができるほど水汲みの人がやってくるという。その多くが山を越えてやってくる香川県人らしい。

イイリギを見つけた。この赤い実が冬にとてもよく目立つ。前に書いたセンダンと同じように、北関東~東北では見かけない西日本の木だ。最初に熊野でこの木を見たときは、寒空に輝く大量の赤い実にわが目を疑ったものだ。

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大きな葉を持っており、それでご飯を包んだので飯桐。しかしゴマノハグサ科の桐と同じ仲間ではなく、イイギリ属イイギリ科という1属1種である。幹が桐に似ていて枝を車輪状に広げ、材は下駄にも利用されることから名づけられたらしい。

牧野植物図鑑で調べてみたいが、いま段ボールの奥底に眠っている。。。

地図を見てみると、この奥にダムがあり、そのためにつけた道のようだった。ところが、2万5千分の1地図には車道のない位置に畑マークと集落が点々とある。おそらくほとんどが廃村なのではないだろうか。

石垣の上にスギ・ヒノキが植えられていることだろう。

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追記:山風呂集落にはかつて分校があったそうだ。

村影弥太郎の集落紀行


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