台風間近、秋の定置網取材


先日、風のために流れた定置網漁取材だが、本日決行されることになった。台風が近づいているが、今日は風もないので出れるという。台風の防備として一部の網仕舞いの仕事もあるようだった。結果としては大量で、とくにアイゴという魚が大量に入っていたのが珍しかった。

小田漁港に8:30に集合。9:00出船。今日は氷を入れたコンテナを直接船に積んで出発する。

小雨がパラついてうねり画あるが、風はそれほど吹いていない。

M君の定置網は2カ所仕掛けてあり、まず最初の取材でアジだけが大量に獲れた手前の定置網を上げにかかる。

大漁である! 先に大きめの青物が見える。彼らは上層に浮かび上がろうとするのだ。

しかし、下のほうは雪のような斑点がある見慣れぬ小魚がどっさりといる。バリコ=「バリの子」だそうで、正式和名はアイゴという。実は、先日N先生経由で貰ったアジの中に、このアイゴが1匹混じっていたが、磯臭くてちょっと敬遠したくなる味だった。しかし、船上でM君に聞いたとところ、津田や徳島などでは大変好まれているという。とくにワタに独特の味があり、サザエの肝のようなんだそうだ。

ただしこのアイゴ、ひれに毒のある鋭いトゲがあって、刺されると猛烈な痛みに襲われるというから要注意だ。

その他にはアジ、マダイ、カワハギ、タチウオ、コノシロなど多数。青物はツバスとカンパチ、メッキアジ(カイワリ)など。ヒラメとスズキも入っていた。まったく瀬戸内の多彩な魚はすばらしい。見ているだけでわくわくしてくる。

網を上げて移動しようというとき、トラブル発生。スクリューに網の縄がからんでしまった。これを取るのに30分以上経過。加勢したN先生は船酔いになるw。

ようやく次の網へ。アナゴも入っていた。

これはコブダイだ。かなりの大物だが、大味で値は安いそうだ。不思議なことに、私がこの頃よく食べているお気に入りの魚、シズはまったく入っていない。M君に聞いてみると、シズは底引きの網にしか入らないとのこと。

さらに2つ目の定置網に移動する。6/8に取材した場所である。

まず箱網の中の魚をさらう。これは台風の対策でもある。ここは網の目が細かいので、収穫物を空にしておきたいのだろう。ゴミや流木などもけっこう入っていた。

こちらはアジが多い。すでに、コンテナの中は満杯に近い。次の網にも魚はかなり入っていて、コンテナに入りきらなくなり、船内の生け簀を利用して運ぶことに。

12:30、帰港。

とはいえ生け簀には氷を入れてこなかった。M君が魚と氷の移動の調整中の間、私が舵を握ることに。

帰港後、トラブル発生。フォークリフトのエンジンがかからない。プラグやバッテリーをいろいろいじってみてもダメ。結局、修理の助っ人を呼ぶことになり、その間、私たちは食事に行くことにした。

2時を過ぎてしまい、中休みの店ばかりでようやくたどり着いたのが讃岐津田駅近くの激シブうどん店「松乃家」。

すでに天ぷらはほぼ売り切れ。エビ天をのせて2玉をいただく。さすが製麺所、安いな・・・。

謎の缶コーヒーの張り紙も郷愁を誘うw。

帰港するとフォークリフトはなんとか動きだし、急いで仕分けをする。なにしろ大漁なので急がねばならない。

途中からアイゴだらけになる。このアイゴ、小型ながらコアなファンがいるため市場で値が付くらしい。だから箱詰めする。

ただし先に書いたようにトゲがあるので仕分け時も注意しなければならない(その反応は個人差があるという)。私はもっぱらアジの仕分け担当。アジも青と赤と2種を選り分けねばならないから、注意が必要だ。

カマスやハゲなどは揃えて箱にするが、数や大きさがそろわない雑多な魚は残る。それをごっそり貰えることになった。

この辺りをN先生と山分けして貰ってきたのだった。

というのも、仕分けは大漁に過ぎて夜まで及んだのだ。

M君はこれから徳島の市場まで下道を走る。アジは徳島のほうが値が高く付き、アイゴも取ってくれるから。と。

終了して港を出たのが19時頃、今日はスタッフに魚の下ろし方を教えつつ料理をごちそうする予定だったが時間が押したので、帰宅後は私が包丁をふるって手早く作った。まず、アジの刺身。

ツバスをおろして刺身、カルパッチョ、茶漬け。アジとツバスの中落ちでストックをとり、ダイコン、ゴボウ、タマネギ、ワカメの味噌汁。コウイカは刺身とアヒージョを作る。スタッフ、感嘆しつつ食べる。とくにツバスの茶漬け(ゴマのすりおろし、醤油、味噌、出し汁、卵黄を混ぜた調味料に漬けて茶漬けとする)が初めての食べ方で、珍しかったようだ。

アイゴを焼いてワタを食べてみたかったが、明日に持ち越しだ。スタッフたちも午前中からさばきを手伝いたいという。早起きして包丁を研いでおくことにしよう。

バロンはアジ刺しをたんまり貰って大満足、早々と瀑睡していた。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください