輸入肉と輸入穀物飼料,Diet for a Small Planet


引き続き南清貴氏の著作を読んでいる。最新刊『「安い食べ物」には何かがある』も、なかなか衝撃的な内容である。この本には果物のことも書かれている。昨日、完熟のイチジクのことを書いたが、

果物はできるだけ完熟しているものを食べてこそ、期待の栄養素が摂れるんだそうだ。当たり前だよね。たとえばスーパーで売られているバナナ、あれ黄色いけれども、収穫したときは緑色で、それが船積みしている間に黄色く変わる。だからあのバナナは「熟した」のではなく「変色した」のである。そして輸出する前にポストハーベストで毒性の強い農薬をかけている。

刺身のツマも自分で作ればどってことはない。切れる包丁さえあれば5分でできる。以前から、スーパーの刺身パックのツマは食べていいものかどうか悩んでいたのだが、南氏の本によれば、刺身パックに入ったツマは機械で作られ、洗浄され、薬品まみれになっているので栄養価はほとんどない。そこに農薬まみれのシソの葉が添えられている・・・というものだそうださらにプラッスチックの菊の花なんかが添えられていたりするよねw。しかも添加物だらけの醤油とワサビもどきのパックがついている。その内容は・・・

同書の「納豆」の項に、どんなに品質のいい納豆でも、付属の「たれ」は絶対に食べないでいただきたい。小さな袋に入っていますが、ほとんど食品添加物のかたまりです。という一文があるから、推して知るべしだろう。

そしてあの豪勢な柄のついたパッケージ。あれ捨てるときかさばるので、私はハサミで裁断してからゴミ箱に放り込むのだけど、いっしょに付いてくる醤油やワサビ小袋などを、封も切らずに捨てるときの空しさったらない。少なくとも別売にして、買い物客に選択の余地を与えてくれないだろうか。

だいたいダイコンなんて切ったりすりおろしたりした瞬間がいちばん美味しくて、そのままじゃ時間とともに味も栄養価も落ちてくる。うどん屋の作り置きのダイコンおろし、美味いと思ったことないもんね。

さて、先日の魚は豊漁なだけでなく、産地が近くて市場を持っているスーパーが直送するから安いわけだだが、では海を越えてやってくる輸入牛肉や豚肉がなぜあんなに安いのか?『「安い食べ物」には何かがある』にはこんなことが書かれている(要約)。

牛の生育期間を短くしてエサ代を安くしているから。そのためには成長促進のためのホルモン剤が使われている。

なるほど。でもそんな肉に食べたら、人の身体はどうにかならないのか? 輸入については肉だけの問題でなく、輸入飼料についても言及されている。結局、日本の畜産は、多くは輸入飼料でまかなわれているのだが、その前ふりにこんな歴史が語られる(要約)。

戦後、敗戦国の日本は荒廃状態だった。そこに救援物資としてアメリカの小麦と粉乳がもたらされる。

その時期のアメリカは、化学肥料が開発され(原料は余った火薬だった/レイチェル・カーソン『沈黙の春』)、小麦が大豊作になり、使い切れずに牛に食べさせた。

牧草に比べ、格段に油分と糖分のある小麦を食べた牛は、牛乳をたくさん出し、その処理しきれないほどの牛乳をバターにして、その搾りかすで脱脂粉乳ができた。それはブタの餌にしていた。

ところがその脱脂粉乳も余ってしまったので、戦後の救援物資として日本に送り込まれた。そして当時の学校給食へ。

団塊の世代の人たちは皆これを飲まされたわけだ。私も小学校の学校給食の初期の頃、アルミのボールのようなものでこれを飲んだ記憶がある。

要するに日本への戦略物資として与えられたのが「小麦」と「脱脂粉乳」だったのだ。70年後のいま、その戦略が「トウモロコシ」と「大豆」に変わっただけだ。

それは遺伝子組み換えの技術によってさらに促進された。

日本で生産される牛・豚・鶏は、この2つが主原料の配合飼料を食べている。日本の食料自給率はカロリーベースで30%台だと言われているが、その中からトウモロコシと大豆の輸入量をカットすると自給率は70%台まで上がるといわれている。

つまり輸入されたトウモロコシや大豆が肉の姿に変わって日本人の食卓に並んでいるのだ。そして食肉になる牛の約80パーセント、豚の約70パーセントは病気だという、農林水産省のデータがある・・・。

どうです? だから肉は品質の良い物を選んでたま〜に少しだけ食べる程度にしたほうがいいのだ。近海の天然魚だって汚染の心配はあるが、少なくとも病変畜肉よりはずっといい。だいいち、大規模なトウモロコシや大豆の生産で、かの地はものすごく土地の荒廃が進んでいるんだよ。

新しい米国人の肉を中心にした食事、正確にいえば「穀類で育てた肉を中心にした食事」が、世界中に飢餓を生んでいる。——フランシス・ムア・ラッペが書いた『Diet for a Small Planet』(邦題『小さな惑星の緑の食卓』)を読んで、あのスティーブ・ジョブズは完全な菜食主義者に変わったといわれている。

北米に入植(侵入)したアングロサクソンは、広大な北米大陸の原生林の8割を、わずか300年で伐り尽くしてしまった。リョコウバトやバッファローを壊滅させた。さらに化石燃料を使い、地下水を汲み上げ、農薬を使い、遺伝子組み換え技術を駆使して穀物を生産し、いまその穀類の一部が日本で肉に生まれ変わり、それを私たちが食べている。

その家畜の半数以上が病気だとしたら、これはもうホラーだよ。日本人は米と豆と野菜と果実と、そして近海の魚介でいいと、誰だって思うだろう。


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