宇和島鯛めし・卯之町開明学校


朝食後、部屋に戻ってブログを1本アップ。ホテルを出て隈建築を朝の光でもう一度撮影し、宇和島に向かう。途中、石垣を撮影。梼原から鬼北町にはいい石垣がたくさん見られる。

年期の入った丸太くり抜き形の蜂洞。これも多数仕掛けられている。

ホテルで入手したガイドで鬼北町庁舎が重要文化財だというので立ち寄ってみた。コンクリート打ち放し、レーモンド事務所の設計だそうだ。昨年、補修工事がされたばかりで表面が美しい。

四国の雨を考慮してか軒や庇がしっかり長く作られているのが印象的だった。

しかし、やはりコンクリート打ち放しは冷たくて辛い感じがある。

昼飯は宇和島で。一度食べてみたかった宇和島の郷土料理「鯛めし」。

駐車場がちょうど見つかったので「ほづみ亭」という店にした。鯛めし980円。小イカの煮付の小鉢がついてきた。店の人が食べ方を教えてくれる。右上のレンゲが乗っているのが鯛めしの具で、甘辛の醤油出汁に鯛の刺身と生卵、それに海苔や若布が入っている。まず卵を箸でよく溶いてから鯛の切り身とともにご飯にかけていただく。

ようするに卵ご飯の変形だ。いわゆる漁師飯らしい。なんだろう、鯛の刺身が違和感なく合う。面白い。

せっかくなので名物じゃこ天もとる。

まだ時間があるので、下道を松山方面に向かう。宇和町で重要文化財の建物の看板を見つけ、脇道に入ってみた。その建物は見つからなかったが、古い町並みに出会った。ここは卯之町といい、宇和街道の宿場町だった。

市営駐車場に止めて歩いてみる。重文の建物は「開明学校」、明治15年築の小学校校舎だ。石垣がすばらしい。その上に白い洋館が建っていた。

チケットを買いにいくとそこが「宇和民具館」という資料館で、先にそちらを見る。

展示が充実していてすばらしかった。

収蔵庫にも入れる。箱火鉢や竹籠など、いま私が興味ある物が満載である。しかもほこりもなく美しく管理してある。

背負い子を発見。

やはり上の横木が開いてしまうのか、ほぞにクサビで止めてある。

なるほど、これが合理的で確実かもしれない。

下に片持ちで載せ台の棒がほぞ組みで挿してあった。補修の跡も参考になる。

民具館を出て道の反対が開明学校。美しい建物だ。

アーチ形のドイツ窓。微妙に色ズレした瓦。手すりの格子、そして基礎の石垣。なんともいいバランス。隈研吾が言うところの粒子感、爽やかなノイズがここにある。

町並みを撮影しながら駐車場へ戻る。卯之町の町並みに特徴的なのはこの「ひじ」と呼ばれる庇下の持ち送り。それぞれ巧みな彫刻が施されてる。

漆喰塗りの垂木の並び、瓦のリズム。

唐破風に鶴の彫刻。トップの飾り瓦も面白い。ダイコン(?)でX印を作っている。どんな意味が? 調べてみたら、ダイコンの上の丸いもの3つがナスで、ダイコンが女性の象徴、ナスが男性の象徴。つまりここは当時遊郭だったという。

エイジングされたスギ板。梼原町の雲の上のホテル・別館のスギパネルを思い出してしまう。

こちらは昔の石垣の上に新しい木塀。やはり地元の石と木の組み合わせはいいものである。卯之町、立ち寄ってよかった。ここは四国霊場「明石寺」が近い。yuiさんと参詣したことが思い出される。雨が降り出した。

高速に乗って一路高松へ。車の中が一人なので眠くなる。パーキングエリアで度々休息をとり、ついでにポンジュースやらざんきやらを買い食いし(笑)、夕日を浴びながら帰る。いい旅だった。トラベラーズノートにスケッチが追加され、スバルは新居浜で7万キロを超えた。

遍路紀行/43番、明石寺


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