背負い子を作る/その3・フレーム完成


朝から背負い子のフレーム作りにとりかかる。縦木に10mm幅のほぞ穴を彫るのだが、久しぶりに取り出したノミのカツラがいい状態ではなかった。鉄輪がへしゃげて柄の部分にかぶさっている。このままだと叩いているうちに鉄輪が外れてくるので、外して調整しなければならない。

鉄輪のへしゃげた部分をやすりで削っていく。

柄の部分も少し削って・・・

カナヅチで木殺ししておく。

1〜2mmほど鉄輪から柄の部分が出るように調整し・・・

カナヅチで柄の外周を叩いて木部が鉄輪にかぶさる感じにする。これでノミを叩きやすくなるし、鉄輪が外れない。鉄輪は柄の割れ防止の役目を持っている。

さて彫り始める。まずはドリルで穴開けから。インパクトドライバーに6mmのドリルビットを付けて縦に数個の穴を入れておく。これだけでも彫りの作業はかなりラクになる。

ノミは削る(彫る)方に刃の表を向け、刃の裏をスミ線のやや内側に置いてから柄を打つ。

スギはとくに柔らかいのでスミ線の側にズレてくる。上下の端を決めたら・・・

縦両側を彫っていく。縦側は繊維に平行なのでサクサク切れる。

カナヅチを使うより、手のひらで叩くくらいでちょうどよい。

ノミは一回の打撃で数ミリしか進まない。根気よく両側から攻めていき、穴が抜けたらマイナスドライバーを使ってクズを落してく。

囲炉裏端でこんなことをやっていると、アイヌの民家を見学したときのことを思い出す。アイヌの囲炉裏には木工用の台座が炉縁の角に埋め込まれている。囲炉裏端での木彫が日常だったのだ。

あまりキツキツにするとほぞ穴が割れてしまう。かといってスカスカでもいけない。ほぞ先の角を面取りし、ほぞ側を削りながら調整していく。

前後左右を間違えないように、部材に(前・上)と印をつけておく。組む前に鉋で面取りし、角を丸くしておく。

両側からじわじわ入れていき、最後はあて木をしてカナヅチで叩いて入れる。ネジレの誤差などがあるので、実際に3本の横木を組むと単体で仮組みしたときよりもキツキツになる。

背当てのシュロ縄を巻いてみた。バロン、シュロ縄に興味津々。

ところがキツく巻いていると縦の木が内側にしなってきて上部の接合部が開いてくる。いったん外してボンドを塗ることにした。

ついでに一番上の横棒を削って20mmに細くすることにした。テーパーがあるせいで下の2本より見た目が太く感じられるからである。このスギは黒芯でやや重く、硬い。

これで完成。ころび(傾き)のある難関のほぞ組みだが、なんとかきっちり納まった。やっぱりほぞ組みは美しいな〜、このまま飾っておきたいくらいだw。さて、明日の新年会のためのカレー作りにとりかからねばならない。急げ。

 


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