螺旋を描く微生物の世紀2


私はむかしから微生物というものに大変興味がある。環境問題をつきつめていくと「森林」にたどり着くが、一方で浄化というベクトルでつきつめると「微生物」ということになる。

学生時代、下水道工学の研究室で卒論を書いたり上下水道の設計コンサルで働いた経験があるので、現在の実情もよく知っている。下水の微生物による分解では現在も主流の「活性汚泥法」で、上水(水道飲料水)の浄化は現在は主流ではないが見直しが始まって脚光を浴びつつある「緩速ろ過」がやはり微生物を使った方法だ。

いま都市近郊も田舎も下水環境やゴミ処理は最悪だ。浄化しきれない化学物質だらけの汚水を川に捨て、悪い焼却灰を地面に埋めている。

絵で食えない頃、羽田の新空港建設のためのボーリング工事のバイトをしたことがあるが、その海底土をサンプリングすると、どこまでも鉛色のヘドロだった。今でも新空港はヘドロの上に載っているのである(嘘だと思うならNHKプロジェクトX 挑戦者たち『新羽田空港 底なし沼に建設せよ』をご覧になるとよい)。

山に水源地に重金属を含んだ焼却灰が埋められている。サッポロのモエレ沼公園はゴミ埋め立て地の上に造られている。

新しい技術でこれらを浄化していかねばならない。それには微生物が鍵、これからは微生物が主役の世紀になる・・・とこれまでもブログに書いてきた。

そんなわけで微生物ネタには常にアンテナを伸ばしている。昨年の夏、高嶋康豪(たかしま・やすひで)博士の講演「蘇生回帰の科学」を聴きに行った。

(2010/8/7)。その微生物による複合発酵技術が、どうやら今回の原発事故放射能汚染の浄化の切り札の一つになりそうなのである。福島県川俣町で5/6に行なわれた実験で「現在放射線量と放射性物質量が10分の1に低下、近隣の農地も微生物の働きにより半分近くに減少」したそうだ。

5/19に行なわれた記者会見(解説には経済アナリスト藤原直哉氏)
1)http://vimeo.com/24173966
2)http://vimeo.com/24178506

このうち2)の24:20~から始まるご夫人の質問に対する高嶋氏の答が大変興味深い。日本(と韓国と中国)の風土には抗酸化物質が極めて多く、微生物が活性化しやすい、という。

一方で飯山一郎さんの米のとぎ汁を利用した乳酸菌による放射能除去(『光合成細菌』で放射能浄化)も試している。案外簡単に作れたし、不思議なことにかなり日数を経ても劣化しないようだ。これとて単体の乳酸菌ではなく、内部では複合発酵が起きているのだろう(育てる「意思」「意識」が重要だ)。結局、複合発酵の中で乳酸菌や光合成細菌が大きなウェイトを占めているのではなかろうか。

(ちなみに、飯山さんは高嶋さんの失敗を尻拭いさせられた経験があるとかで、高嶋式複合発酵技術はインチキ、と批判されておられるようだ)。

ではなぜ、複合発酵が放射能を除去してしまうのだろうか? 天体の動きは円を描く。自然の四季も円環を描いて毎年春がやってくる。しかし今年の春は昨年の春とはまったく同じではない。生命は常に生成発展しており本質は「螺旋」の運動といえるだろう。

「地球創生46億年前の地球は濃硫酸の海だったがそこにバクテリアが発生して浄化が始まり今日の水の惑星地球となった」とするなら、この壮大な螺旋運動を微生物が再現していると考えられる。

どんなに科学技術をこねくりまわしても、微生物にはかなわない、これが微笑ましいw

以下、参考までに。

東海アマさんのブログ記事

柳田ファーム(あの一件の真実 2010/07/08)


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